シャープが取り組む経営戦略

ベトナムの人たちの生活を良くするために高い技術力と豊富な商品構成で市場に臨む

 

「SHARP ELECTRONICS VIETNAM CO.,LTD」は、世界をリードする液晶ディスプレイや、インバーター・システム、「シャープ株式会社」が独自開発したプラズマ・クラスター・イオンなど、高い技術を搭載した各商品を揃え、ベトナム市場でのシェア拡大を目指している。ベトナム市場をVIP市場と位置付け注目する同社の取り組みと戦略について、「SHARP ELECTRONICS VIETNAM CO.,LTD」のGeneral Directorである久保正史氏にお話を伺った。

 

アセアンの未来はVIPにかかっている

──VIP市場とはどういう意味でしょうか?

アセアン諸国の中で特に、経済発展が著しいベトナム(Vietnam=V)、インドネシア(Indonesia=I)、フィリピン(Philippine=P)の3か国を重点地区ととらえ、弊社ではVIP市場と位置付けています。アセアン地域の中でも、タイやマレーシアのようにすでにある程度の階段まで発展が進み、家電普及率が高い国に比べて、VIP3か国は、まだまだ普及率が低いです。しかし、それは裏を返せば、市場としての潜在能力、伸びしろが期待出来るということになります。ベトナムの場合、人口が約9200万人、世帯数はおよそ2800万人ある中で、冷蔵庫の普及率は35%未満、洗濯機は30%未満、エアコンに至っては10数%という統計があります。テレビは多くの世帯が保有していますが、それ以外の家電となると、まだまだ普及率が低いのが現状です。かえて平均年齢が30歳に満たないこの国では、共働きの若い世代の家庭が多いため、消費意欲が高いことも、市場拡大につながる要因です。また、うれしいことにベトナムの方は、もともと日本製品、メイド・イン・ジャパンに対して高い信頼を持ってくださっていますので、日系企業としては、その点もプラス要因になっていると思います。

 

液晶テレビとエアコンに重点を当てる

──ベトナム市場でシェアを拡大するために、どのような戦略をお持ちでしょうか?

大きく分けて、2つの戦略を考えています。1つ目は、やはり液晶テレビです。テレビはすでにある程度普及していますが、ネットワークにつながる機能を備えたスマートテレビを市場に送り込んでいきます。スマートテレビについては従来の7モデルから15モデルに増やして、ディスプレイの大きさも80インチのものまで増やしました。今のところベトナムの消費者に人気なのは40〜45インチのものです。現在弊社では、AndroidテレビとEasy NETテレビを取り扱っています。2つ目はインバーター機能がついたエアコンです。ベトナムの消費者は、エコに対して敏感ですので、エアコンに限らず、インバーター機能がついた家電が人気です。弊社の「J-TECHインバーター」ブランドは、日本の技術を売りにしています。J-TECHインバーターエアコンは、普通のエアコンと比べて65%の節電効果があるだけでなく、室温を迅速に下げる効果もあります。温度を0.5度刻みで調節できることも利点です。ファンが上下左右に柔軟に動き、室内に気流を起こし室温を素早く下げます。

 

高い技術力が顧客の信頼性を得る

──他社にはまねできないシャープの強みとは何ですか?

他社に比べての強みは2つあります。1つ目は弊社が独自開発した「プラズマ・クラスター」です。プラズマ放電により、活性酸素を発生させ、プラスとマイナスのプラズマ・クラスター・イオンを作り、空気中に放出する技術です。浮遊するヴィルスやカビ菌を取り除いたり、ダニのふんや死骸などのアレル物質の作用を抑えたりすることができます。さまざまな製品にプラズマ・クラスター技術を搭載していますが、ベトナムでぜひ普及させたいのは「プラズマ・クラスター機能付き空気清浄機」です。発展が進むベトナムの都市部では、空気汚染が深刻な問題の1つです。水や食べ物に気を遣うのと同じように、空気にも気を使ってほしいと思っています。プラズマ・クラスターには、臭いを取り除く効果もあるので、車載用イオン発生機は車内の空気を清潔に、臭いもなく保つことができます。空気清浄機シリーズの中には「蚊取り機能付き空気清浄機」もあります。蚊の習性を利用して、近づいた蚊を、空気清浄機の風で吸い込んで、粘着シートで捕獲します。デング熱やジカ熱など、蚊を媒介とした病気が身近なこの国では、ぜひ使っていただきたい製品です。2つ目の強みは、調理家電の幅広いラインアップです。ウォーターオーブン「ヘルシオ」や水なしで自動調理する「ホットクック」は、おいしさと健康的な食生活を両立する調理家電です。ベトナムの方は、日本人と習慣が似ており、自宅で調理することが多いですし、食に対する関心や健康に対する意識も高いので、調理家電のラインアップにも力を入れていきたいですね。

 

──2017年の目標と今後目指すものは何でしょうか?

016年8月に鴻海の傘下に入った後、鴻海の強い投資を受け、2016年は日本国内での市場シェア回復に力を注ぎました。2017年は海外市場に力を入れております。ベトナム市場では、冷蔵庫では20%、エアコンでは10%の市場占有率を達成することを目標しています。そしてベトナムで長年トップセールスブランドとして定着している電子レンジや炊飯器といった小型家電製品にも、引き続き、力を入れていきたいです。そして、最終的には、家電販売を通して、ベトナムの人々のライフスタイルを変えるお手伝いをしていきたいと考えています。そのためにもまずは多くの方に弊社の家電を選んでいただくために、価格帯を抑えた普及型を市場に送り出しますので、消費者の方々に是非使っていただきたく思います。

 

ベトナム  PAベトナム編集部

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