スリランカの挑戦者たち①

~コロンボのサムライ起業家3人に聞く~

スリランカの挑戦者たち

インド亜大陸の南東、インドからポーク海峡を隔てた場所に位置する、島国・スリランカ。
その正式名をスリランカ民主社会主義共和国という。ご存知、セイロンティーの故郷として知られているこの国だが、お隣のインドや東南アジア諸国に比べて、あまり日本に馴染みのない国であることは事実。

ヒンドゥーを信仰するインドと異なり、熱心な仏教国であることも知られていないし、首都はスリジャヤワルダナプラコッテという長い名前を持つ。この都市名をすんなり言える人は、よほどスリランカに詳しい人かクイズや地理に関するウンチクが好きな人に違いない。

ともかく、日本人在住者が1000人に満たないこの国に魅せられ、根を下ろし、さらには会社を創業した日本人がいるという。彼らはなぜこの国を選んだのか? どんな点にビジネスチャンスを見出したのか? 日本人開拓者たちを、同国最大の都市・コロンボで取材した。

文・写真 新山順子

 

Japanese Restaurant

岡山浩之

株式会社サードプレイス代表取締役

1975年東京都生まれ。出版社勤務を経て、都内で居酒屋「魚一」を5店舗運営する株式会社サードプレイスの代表取締役に就任する。2014年、自らが中心となり、日本外食チェーンとしてスリランカ初進出となる「築地魚一」をコロンボにオープン。

 

日本料理のパイオニアを目指し、スリランカへ!

私の元同僚がスリランカの会社で役員をしていた関係で、2013年2月に初めてコロンボを訪れることになりました。私は日本でもチェーンの飲食店を展開しているのですが、その頃、日本の飲食産業には限界を感じていて、今後はさらに厳しくなるだろうと考えていました。元々、海外でやってみたいという思いはあったものの、既に東南アジアには大手も個人もかなりの数が進出しているし、どうせならもっとパイオニア的存在になれる国に出てみたいと思っていまして、そういう意味でまだ日本食レストランが少なかったスリランカは、自分の希望に合った国だったんです。その後、同年の夏には人の紹介で物件が見つかり、2014年の7月に「築地魚一」をオープンする運びとなりました。

実はスリランカで一番高級な外食というのが日本料理なんです。というのも、和食で使う材料の多くは輸入に頼らざるを得ません。スリランカは海に囲まれた国で、もちろん水産資源もあるのですが、実際に材料として使える海鮮はマグロ、イカ、エビ、タイの一種の白身魚くらい。

水温が高いので、魚の身に脂がのらず、生で食べるか唐揚げにするかなど工夫して提供しています。日本からはカレイ、サンマ、マグロ、サーモンなどを仕入れていて、調味料の多くも輸入品です。そうなると、どうしても提供価格が高くなってしまうんです。現在、当店のお客様の比率は地元スリランカの人が6割、中国人が2割、日本人が1割、残りがその他の国の人といったところ。日本料理のテリヤキ系の味付けは世界中大体どこの国でも好まれますし、スパイシーなカレーを日常的に食するスリランカ人にも日本のカレーが結構うけています。今はアッパー層が顧客の中心ですが、これからもスリランカで日本食文化は広がっていくと感じています。

苦しい今、進出することが今後のアドバンテージに

スリランカは基本的に仏教徒の国で親切な人が多いですが、反面、ビジネスでお金が関わってくると、騙そうとする人が多いのも事実です。実際、信頼していると裏切られることもあり、ストレスを抱えながら現地の人と対峙しています。

また、日本の投資パートナーとのすれ違いで、心が折れることもあります。自分はお金を預けてもらってビジネスをしている訳ですが、海外へ出てみると予想外のことで経費がかさみ、利益を出すのも一筋縄ではいきません。日本からは現場が見えないために、経営の仕方やお金の使い道に関して疑いの目を向けられることもあり、正直しんどいなぁと感じることがあります。

そんな時のストレス発散法ですか?自分と同じ起業家仲間と食事をすることですね。あとは、やはり家族の支えが大きいです。私のわがままで海外へ一緒に出て来てくれた家族には、本当に頭が上がりませんね。

近年の開発の様子を見ていると、あと5年くらい経てば、スリランカは大きく変わると思います。ですから、この時期に進出したということが、今後十分なアドバンテージになると考えています。ただし、自分でお店を増やすとなると、投資資金の問題などもあるので、今後はこれから進出したいと考えている人達のサポート業務を中心に行っていきたいと思っています。実際、現在もホテルのレストランなど数店舗の飲食店のマネージメントに携わっています。そうした活動を通じて、日本の食文化や日本式のサービスの魅力をスリランカに広めていけたら幸いですね。

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