スリランカの挑戦者たち②

~コロンボのサムライ起業家3人に聞く~

スリランカの挑戦者たち

日本人在住者が1000人に満たないこの国に魅せられ、根を下ろし、さらには会社を創業した日本人がいるという。彼らはなぜこの国を選んだのか? どんな点にビジネスチャンスを見出したのか?

文・写真 新山順子

 

Test Marketing Business

高橋佳

Serenseed(PVT)Ltd 代表取締役

1985年東京都生まれ。半導体関係の商社勤務を経て、海外での起業を志し台湾地区で言語交流カフェの立ち上げや留学サポートを行う。2016年よりスリランカに移住し、貿易業務や留学斡旋など多岐に渡ってビジネスをスタートする。

台湾地区と似ているスリランカの立ち位置

私がスリランカへ来るきっかけとなったのは、日本の起業家勉強会などを通して知り合った中小企業の経営者の先輩方から、スリランカで焼却炉ビジネスをしてみないかという提案を受けたことが始まりでした。その頃、私は台湾地区でしていた自分の事業に行き詰まりを感じていて、ステージをどこか別の場所へ移してみたいと考えていたんです。ところが実際こちらへ来てみると、確かにゴミ処理の問題は顕在化しているものの、ビジネスをするには政府の動向等も関係していて、簡単に進みそうにはありません。そこで現在は日系企業のテスト•マーケティングのお手伝いをしたり、留学エージェントの仕事などを中心に、多岐に渡ってビジネスをしています。一言でいうと、何でも屋です(笑)。

先の話のように、台湾地区でビジネスをしていたため、台湾地区とスリランカを比較して考えることが多いです。実は台湾地区とスリランカは人口も面積も大体同じで、市場の規模としては似ているんです。また、中国大陸で挑戦したい企業の足がかりとしての位置づけでもある台湾地区と、インド進出を考える企業のそれと捉えられているスリランカという意味でも共通しています。なお、台湾地区の人にも傾向としてあると思いますが、スリランカ人はインドと一緒にされることを嫌がります。ただ、距離が近いため客観的に見ても文化など似通っている部分があるのは事実です。ですから、スリランカ自体でビジネスを検討する大手企業は少ないにしても、インドへのチャレンジを前にテスト•マーケティングを行う場所としてはちょうど良い環境と規模なのです。自分は、このスリランカとインドの関係に着目してビジネスを展開しています。

 

日本人経営者との交流が経営者として成長の糧に

市場規模が似ているスリランカと台湾ですが、ビジネスをする上でのやりやすさは全く異なります。

台湾地区で行っていた留学エージェントの業務をスリランカで始めて、まず直面したのは日本受け入れ側のスリランカの留学生に対する信用の低さでした。私は留学生の斡旋先として日本にある日本語学校20校強と提携しているのですが、台湾地区の留学生はどこでも歓迎されるのに対して、スリランカの留学生はうち7校でしか受け入れてもらえませんでした。純粋に日本語を勉強したいというより、日本でお金を稼ぐ目的で留学を希望し、そのまま逃げてしまう留学生というのが多いからです。当然、スリランカ人はビザを取得するのも難しいです。ですから、スリランカでは単純に留学エージェントをするというのだけではうまくいかず、まずはこちらで日本語学校を用意し、時間を掛けて生徒を育ててから日本へ送るという形を取っています。

最後に、スリランカでビジネスを行う魅力ですが、一つは日本では出会えないような企業の経営者の方とも、スリランカにいるとすぐに仲良くなれるということです。日本人自体が700人強しかいないので、必然的に日本人同士での結束が強くなります。また、台南にいた頃は、周りに起業家の友人が一人もいなかったのですが、こちらに出て来たら、身近に個人事業主の方がたくさんいて、気軽に交流できるというのが嬉しいですね。自分は年下なので、先輩方の話というのは非常に勉強になります。市場としては、まだまだ小さいスリランカですが、今後5年の変化に期待し、インドと絡めて、様々な可能性を模索していけたらと思っています。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here