料理から文化の浸透が始まる ベトナムに根付いた日本の食文化

ベトナムに根付いた日本の食文化

第1回 1000店を超す日本食レストランが鎬を削る

寿司を始めとする日本食が海外で人気を博していますが、当地ベトナムでは空前の日本食ブームを迎え、日本食レストランの数は1000店を超す勢いです。本稿では日本食レストランの繁栄状況と、今後出店をお考えの皆様に参考になる情報をお伝えしていきたいと思います。

値段が高くても若者で賑わっている

ベトナムでは、日本料理や日本食品の人気が高く、日本食レストランの数は増え続けていて、在ホーチミン日本国総領事館によると、ベトナムにおける日本料理店の数は約1000店で、このうち約7割にあたる660店舗超がホーチミン市内に立地し、この数はさらに増加傾向にあるそうです。また、同市の日本料理店の5割超が日本人オーナーだということです。

ホーチミン市においては1999年創業の「SUSHI BAR」が8店舗を展開し、2004年創業の日本式焼肉「浦江亭」もホーチミン市内に7店舗を構えています。2014年1月にホーチミン市にオープンしたイオンモール1号店内に開店したうどんの「丸亀製麺」も、短期間で8店舗を展開しています。これらの日本人経営による日本食レストランは地元の人々に人気を博し、どのお店も繁盛しています。ローカルのレストランのランチなら、1食150円前後でも食べられるところ、上記の日本食ですと、最低でも500円以上になりますが、若いベトナム人で賑わっています。

一方ローカル資本の「日本食レストラン」も勢いがあり、最も成功しているのは様々な業種のレストランを展開している「Golden Gate Restaurant Group」です。彼らが展開する日本食チェーンは、キノコ鍋の「Ashima」、回転鍋の「Kichi Kichi」、日本式焼肉&鍋の「Sumo BBQ」、カジュアルな日本食の「Daruma」などで、2016年3月には「大阪王将」のフランチャイズ店をホーチミンに開店し、全てのお店が予約しないと入れないほど人気を博しています。また、上記の「SUSHI BAR」と近い業態で寿司をメインメニューにすえた「Tokyo Deli」も、地元の若者や家族連れに人気が高く、現在20店舗を展開しています。

タイより所得は低くても外食費は高い

ジェトロの調査によると、ベトナム人消費者にとって、日本食は「味が良い」「健康に配慮されている」「洗練されている。高級感がある」といったイメージがあり、サービスが行き届いていないローカル・レストランと比較して、日本食レストランのきめ細かなサービスは、ベトナム人消費者にとって新鮮で、喜ばれる要素になっているようです。

また、民間の会計事務所の調査によると、ベトナム人の1人当たりの所得はタイの4分の1にすぎませんが、外食に対する1人あたりの年間支出額は、タイやマレーシアを上回っているという結果が出ています。

このような外食好きのベトナム人の心を捉えるようなレストランを開店できれば、大繁盛間違いなしです。ただし社会主義国のベトナムでレストランを開店するには、法律上の様々な手続きをクリアしなければなりません。日本企業(または個人)がベトナムでレストランを開業する形態等については、次号で詳しくご説明します。

 


斎藤 公 (さいとう・ひろし)
ソルテックトレーディング株式会社
メディア事業部長

PHP研究所に入社し、英文月刊誌「PHP Intersect」を創刊。同社ニューヨーク事務所長を務めた後、CBC 中部日本放送の関連会社に転職し、名古屋港再開発プロジェクトの企画立案を担当する。 放送関連の経験を買われ、20年以上前にシンガポールで日本語ラジオ放送「FM96.3」の開局に従事。その後、ベトナムに拠点を移し、「ハローベトナム」「インベストアジア」を創刊し、日系企業の海外進出支援事業に携わっている。

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