料理から文化の浸透が始まるベトナムに根付いた日本の食文化4

ベトナムに根付いた日本の食文化

第4回 中級店の成功事例

約1000店の日本食レストランが鎬を削っているベトナムですが、当然ながら全てのレストランが繁盛している訳ではありません。本稿ではベトナムでレストランを経営する場合の重要なポイントについて解説しております。今回は特に中級店に絞ってご説明しましょう。

 

中級店はターゲット・業態・ロケーションが大事

ホーチミンの中級店で最も成功しているお店の一つに「浦江亭」という焼肉のチェーン店があります。

このチェーン店はホーチミンに7店舗、カンボジアのプノンペンにも1店舗あります。美味しい焼肉とビールや酎ハイを堪能しても、1人あたりの単価が2000~3000円くらいです。もちろん和牛などを食べれば倍以上になりますが。

2004年のオープン当初は日本人をターゲットにしていましたが、日本人に連れられて来たベトナム人にも次第に人気が広まり、今やお客の8割以上がベトナム人です。
ホーチミン市内のお店はほとんどが市の中心部(1区、3区、7区)の通り沿いに位置し、駐車場や駐輪場を備えたお店もあります。 他店舗展開をするにつれ、だんだんベトナム人にターゲットを移行し、イオンモールのようなショッピングモールにも出店しています。イオンモールのホーチミン1号店内の飲食店の中では、トップレベルの売り上げを誇っています。

当初はターゲットを日本人に絞っても、ベトナム人のお客様を獲得しない限り、多店舗展開は不可能なので、ベトナム人に人気の高い焼肉や寿司のチェーン店に成功事例が多いようです。

ベトナム人の中間層を狙うには内装と社員教育がポイント

経済発展が進むベトナムでは中間層が増えつつあり、ディナーで1人2000円以上使える人も増えています。そんな層をターゲットにするためには、料理の質はもちろんですが、高級感のある清潔な店内の内装と接客マナーがポイントになります。

浦江亭では午後6時から始まるディナータイムの前に、全従業員を集め毎日ミーティングを行なっています。「いらっしゃいませ」の発生練習だけではなく、オーダーの取り方や各自の立ち位置など、店長やマネージャーが毎日繰り返し指導をしています。

日本では当たり前のことができていないお店が多いので、「浦江亭」の日本式サービスは地元の人にも好評です。「浦江亭」とほぼ同じ価格帯の「牛角」も数年前に進出し、地元の人で賑わっています。
次回は成功している大衆店についてご案内します。

 


斎藤 公 (さいとう・ひろし)
ソルテックトレーディング株式会社
メディア事業部長

PHP研究所に入社し、英文月刊誌「PHP Intersect」を創刊。同社ニューヨーク事務所長を務めた後、CBC 中部日本放送の関連会社に転職し、名古屋港再開発プロジェクトの企画立案を担当する。 放送関連の経験を買われ、20年以上前にシンガポールで日本語ラジオ放送「FM96.3」の開局に従事。その後、ベトナムに拠点を移し、「ハローベトナム」「インベストアジア」を創刊し、日系企業の海外進出支援事業に携わっている。

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