航空券のカラクリ マイレージの裏技を使って快適に旅をする

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航空券のカラクリ

マイレージの裏技を使って快適に旅をする

かつて航空会社のマイレージを貯めることは、ある意味、やりたい放題だった。が、それも今は昔の話。現在は、制約が増え、ハードルが上がり、また利用価値も高くない。マイレージを貯めるメリットは年々低くなってきている。そんな厳しい状況だからこそ、より快適な旅をするためにも、マイレージを上手く使いこなせるかどうか、それは相変わらず重要だ。あなたも知らない、まだまだ使えるマイレージの裏技を紹介したい。

甘い話には大きな裏がある

「3年間で100万円を1億円にしました! その秘訣を今だけ~、これを読んだあなただけ~、に提供‼」

ネットにはこの手の「さあ、始めよう株式取引!」のような話が山のように載っています。

「全部ウソ。ありえへん」

「仮にそんな秘訣があったって、3万円~10万円で教えますか?」
というのが、海外転出組の日本人でも安泰リタイア組の賢明な意見です。

中でも聡明な人は「あれはね。2億1 00万円を3億円に増やした人の話なの。100万円で適当なベンチャー株(例えばペッパーフーズCPとか)を博打感覚で買ってて、たまたま大化けしただけなの!」

なるほど。確かにそれならウソは付いていない。100万円が1億円になってますから。

「株はクズ株を狙え」とか、余裕のある人の話なんですからね。

数で言えば、圧倒的にクズ株買い⇒大損のほうが多いんだから、真似しちゃダメです。

陸マイラーは絶滅の危機

さて、航空会社のマイレージにも「タダでマイレージを獲得する方法──私はこの方法で常時20万マイルが口座にあります。日本国内もハワイも飛行機はタダでエンジョイしてます」とか謳って、20万マイルある口座の画面とかも貼り付けて、この秘訣をあなたにだけ提供、今だけ格安で(3000円から3万円くらい)、なんて、言っている奴がいます。

その内容は「仕事上の商品仕入れをマイレージ提携のクレジットカードでしなさい」「忘年会の会費などをあなたが幹事として仕切って、同じクレジットカードでしなさい」「金券屋を開業して、新幹線の回数券をカードで仕入れなさい」などなど、アホみたいことが列挙されています。

「さらなる秘訣を追加3万円で!」とか言っている奴もいました。

いい加減にしろ! ですな。

でも。航空会社提携のクレジットカードを使ってのマイル獲得の全盛期、いわゆる、陸(おか)マイラーがいたのは事実です。

もちろん、タダで獲得なんてのはなかったですが、たとえば、ユナイテッド航空(UA)の片道、成田⇒バンコクまたはシンガポールまたはマニラ(ソウル経由)のファーストクラス分の2万マイルが8000円ほどで当時獲得できたのです。

それは、やはり金券屋の鉄道回数券の買い取りです。鉄道回数券の買い取りが高いのは愛知県を含む近県です。近畿・九州方面へ、関東・東北方面へ、北陸方面へ、の(路線でいう)ハブ空港のような存在が愛知県なのです。

陸(おか)マイラーにとって、日本の中心は愛知県でした。

ネットで「回数券高価買い取り」を検索すると、「マイレージ稼ぎ来たれ! 指定区間新幹線買い取り99%‼」と、ウエブサイトのトップページにデカデカ、堂々と載せている店が、名古屋はもちろん、やや離れた多治見などでもヒットしました。

ああ、いい時代でした。

今は大きく宣伝していません。

そうです。この7年ほどで陸マイル稼ぎは終焉の時代を迎えました。クレジットカードによる鉄道回数券の大量買いが認められなくなったのです。

回数券には犯罪防止用に管理番号があるので、金券屋に売却すると、すぐにクレジットカード会社に連絡が行って、カード会社から電話が来て、「その使い方は止めてください。もう一度したらカードを止めます。退会してもらいます」と、情け容赦ない着信が来るようになったのです。

可能だったのは、東京⇔博多(当時は鹿児島中央まで工事中)などの長距離区間の高額な6枚綴り回数券を1冊とか、本人と家族が使うのか、と思わせられるものだけでした。これは1回1500マイルくらいの獲得にしかなりません。

名古屋⇔三河安城などの隣接区間の小額回数券の100万円分の発券が今もオーケーなのは、マイル還元率は低いけど、〇〇ットカードくらいです。

マイレージのハードルがどんどん上がっていく

航空会社は現在、マイレージのサービスを止めたいのが実情です。提携クレジットカードの空港ラウンジ優待も次々と縮小され、マイルチケットも必要マイル数は年々上がり、ユナイテッド航空のマイルでは、日本⇒東南アジアのビジネスクラスは片道3万マイル⇒4万マイル⇒44万5000マイルと年々上昇しています。

制約も出発地点エリアの2都市訪問はダメ、など増えてきました。

メリットが高いのは、地方空港⇒成田・関空経由⇒バンコク・シンガポール経由⇒ダッカ(エコノミーで片道2万マイル、往復4万マイル、東南アジア方面1都市追加でも同4万マイル)とかです。

まあ、でも、例えばバングラデシュ人は東京に集中しています。

知人のバングラデシュ人は言います。

「キャセイパシフィックなら11万円前後であるんだけど……」

「それは21日FIXですよ。UAのマイルチケットは1年間有効で、75ドルで日付も経路変更も可能ですよ」と私は彼らにアドバイスしたりします。

でも彼らは2、3万円をケチったために、結局「FIXですから、無効です」と言われて、急遽20万円で買い直したりしてるんです。片道も往復も値段が変わらない(片道のほうが高い場合もある)から往復を買うんでしょうね。

全日空の国内線とUAの特典航空券は利用価値が高い

もうひとつUAのマイルチケットで利用価値が高いのは全日空(ANA)の国内線です。21日より先の手数料75ドルの掛からない日程で、LCCの就航していない路線は魅力です。東京⇔長崎の五島福江や対馬は5000マイルで発券の範囲に収まります。仙台⇔対馬も5000マイル。東京⇔沖縄県は8000マイル。日本最長の稚内⇔石垣島も8000マイルです。5000マイルは東京バンコクをやや高めのチケットで往復すれば獲得できるマイル数です。

UAが時々実施するバイマイル(Buy Airline Miles)で購入という手段もあります。1度5000マイルを獲得してしまえば、UAマイルの購入には裏技があります。それは24時間以内なら特典航空券のキャンセルは無料でできる、というシステムを利用するのです。

このシステムは、特典航空券は発券したが、目的地のホテルが(中国正月などで)全く確保できない、などに備えたシステムなのですが、それを利用するのです。

まずは東京⇒福岡を5000マイルで発券します。

チケットが確定したら、予約コードで予約確認のページに進みます。

「追加のマイルを購入」という表示が出ますから、次はそこへ進みます。1万エクストラマイル250ドルという表示が出ますから、これでマイル購入はできるわけです。

これをカード決済します。エクストラマイルの購入はカード決済後はキャンセルできません。払い戻しできないのです。

ところが、もともとの特典航空券は24時間以内ならキャンセルが無料で、マイルに戻す事ができるのです。

これを繰り返せば、マイル購入だけがどんどんできます。

「1万マイルを250ドルで購入なんて割が合わない」と言ってるあなた!
たとえば、徳島空港⇒関西空港を検索してみましょう。徳島⇒那覇(17時間滞在1泊)⇒羽田(7時間滞在)⇒関西空港が5000マイルでできるのです。

大阪から徳島にバスで行って1泊、翌日、那覇で1泊(那覇観光)、翌日、羽田へ(東京スカイツリーへ浅草観光)⇒関空へというような2泊3日のプランが、お二人航空券部分は250ドル(1ドル80円になれば2万円です)でできるのですよ。

他には静岡⇒羽田(静岡⇒札幌17時間滞在1泊⇒関西16時間滞在1泊⇒羽田)など、近距離強引ルートが、当然、遠方周り飛行ルートになるので利用価値が大です。

クリスマスイブのホテルに1年前から予約を入れてとかの横並び状態より、彼女に「この人、何て面白い事を考える(気付く)人なんだろう」と思われて、一歩抜け出して、あなたの株が上がる事は間違いありません(ホントか)。
では、成功を祈ります。

 

 

南島三郎(みなじま・さぶろう)

大阪出身の50代。日本ではマスコミの周りをウロウロしていた。リーマン・ショック後、クレジットカード破産。日本、タイ、カンボジア、フィリピンをグルグル回っている。現在、カンボジアのシェムリアップに家を借り、タイのカンチャナブリ県に農場を所有している。妻はタイ人で娘が1人いる。