東南アジアで社会貢献する

東南アジアで社会貢献する

慈善事業は最大の投資ビジネス

人生のプライオリティーは、自分にとって仕事である。成功者の名言だ。
実際には、仕事より趣味、家族、夢、異性が大事だという方が一般的だ。しかし、それらがうまく稼働しているのは、ある程度の収入を得ていることが前提の話である。つまり、仕事で成功している人のことである。 しかし、仕事で成功しているから、寄付や募金、慈善活動などの社会貢献ができるということになるのだが、少々そこは違う。補足すると、社会貢献は、良い企業方針、家族の理解、人間関係、世のため人のために尽くすことができる心がないと、なかなか社会貢献する意味は理解できないだろうと思う。
日本企業に社会貢献がなぜ重要なのか、慈善活動がなぜ必要なのかを提言したい。

 

 

日本人は、お金は自分を守るもので、寄付や募金は損失と思っている。

cIndex)によると、ミヤンマーはアメリカを超え、ランキング第1位となった。ミャンマーは最も他人を助ける国、最も多くを与える国となったのでる。

日本は100位にも入らなかった。2020年東京オリンピック誘致で世界中で話題となった「お・も・て・な・し」。お客への思いやり、忖度、サービスを美徳としているはずの日本は、寄付や募金、ボランティアにまるで関心がないのはなぜなのか。謎である。

海外では、他人を助ける、何かを与えることは功徳を積むことになると信じられている。人は助け合って生きていかなければならない、だから、人のためになることをしなさい、と教育されている。だが、日本人の大半は寄付や募金の概念はなく、お金は貯蓄という文字が染みついていて、他人に大切なお金を与えることは理解できない。お金を失うのでは、と抵抗感を感じるからである。日本では、ボランティアというのはオール自腹の「完全無料奉仕」だからだ。

日本企業のCSR活動は果てしなく遠い道のりである。

いま、世界の有名企業はCSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)活動に力を入れている。理由はレピュテーション(企業評価)にある。

ボランティア活動を行なうことで、ブランドイメージ構築、社員のモチベーション、事業以外での企業評価が高まっていくのだ。

だが、日本企業はステークホルダーがボトルネックとなっている。企業による金銭的な供与はどんな場合でも説明と責任はついてくる。業務が大変なのである。

そういったこともあり、日本企業はCSR活動への増殖は遠い道のりだ。政府が「働き方改革」に力を入れると同時に、もっと日本の企業も寄付や募金、ボランティア、社会貢献に積極的になってほしいものである。

日本のボランティアは熱しやすく冷めやすい。

世界中にある財団なくして、社会貢献、寄付、ボランティアは成り立たない。それを政府や企業が支援、NPO(非営利法人)や個人が社会貢献のために人財を確保する。これが災害と経済発展の寄付と支援となると破格となる。国際災害機関(CIDI)の緊急時に行なわれた寄付金額だと、総額120億米ドル(約1兆円)の90%以上がアジアで使われている。

さらに、経済発展と福祉向上を目的とした経済協力資金、いわば政府機関援助(ODA)になると、日本はランキング5位以内に入る。日本にとって長い目で見ればプラスを見込んでいるからである。

日本は自然災害の多発地域であり、社会貢献というより、ご近所さんからの協力が重要になる。日本中から寄付・ボランティアなどが多く集まった「東日本大震災」「西日本豪雨災害」などは持続がなく

「潮干狩り」のごとく消えていった。世界から見たら「ほわい(WHY)」である。

こうしてみると、自然災害の多発地域にいる日本人にしてみれば、お金は自分を守るためのモノで、寄付や募金までは、ある程度余裕があるときしかできず、他人に与えることは難儀と言える。

私もタイの障害者施設を訪問して考えた。

寄付や募金、ボランティアの話に関わる自分のささやかな体験を述べたい。

暑い日本を抜け出し、夏季休暇を取って、タイへ来た。現地で事業をしている友人から、障害者施設でボランティア活動に参加しないか、と誘われたからだ。

タイの首都バンコク中心部から車で1時間離れたところに、タイのシリキット王妃(プミポン前国王の后。現国王の母上)が推進した障害者福祉財団の施設『Srisangwan School』がある。

ここは公益のための非営利団体の施設で、300人以上の障害児に365日24時間の完全介護を行なっており、宿泊施設と食事を提供している。また、リハビリと定期的な理学療法も行なわれ、子供たちが身体障害を克服し、自立することを支援する施設だ。この施設からはパラリンピックの金メダリスト、有名な学者、ビジネスオーナーなど優秀な人材が卒業している。よほど努力をしてのことだろうと思い、心に刺さった。

施設内のどこからともなく、にぎやかな声とともに施設の子供たちが集まってくる。

私は、友人とその家族たちとともに、日本で購入したお菓子などを持参し、この施設を訪れた。この日、8月12日はシリキット王妃の誕生日でもあり、国中がすべてのママたちをお祝いする「LOVE MOMU=母の日」で祝日だった。バンコクのショッピングセンターや繁華街では、いたるところに

「LOVE MOMU」の装飾があった。

施設では、子役のタレントたちが歌やダンスを披露し、食料やお菓子、おもちゃなどを贈呈。私も日本で購入したワサビ味のお菓子などを持参したが、果たして子供たちは食べるだろうか、と不安に思ったが、美味しそうに食べてくれた。基本的にタイ人は大人だろうが子供だろうが、刺激物が好きなようだ。

出演する子供たちの歌や踊りで盛り上がってひと段落ついたころ、食堂では食事の準備にとりかかった。そして、子供たちのパフォーマンスも終わり、食事に入る。料理が届いた順に施設の子供たちは食べていく。美味しそうに食べているかといえば、そのように見えるかもしれないが、子供たちは不自由な手でコツをつかみながら必死に食べている。職員も同じくフォローに必死だ。

この施設に寄付をした人の記念碑なるものがあった。そこにはプロゴルファーのタイガーウィズの名があり、ビックリする。また、日本人の名前もあった。

寄付や募金・慈善活動が人類最大の投資ビジネスになる。

海外ではボランティア・マッチングサイトがあり、ボランティアしたい人とボランティアを探している人や団体を結びつけるビジネスサービスがある。

また、1日あたり数時間のボランティア活動をすることと引き換えに食事と宿泊設備を受け取るサービスなどがある。ボランティアというより自由人が好む格安旅行を狙ったビジネスのようなものだ。そのようなビジネスボランティアについて語る気は全くないが、このようなサイトが増加している。

近未来には、従来の寄付や募金・慈善活動から、ソーシャルメディアやデジタルツールによる新しい寄付や募金の概念が誕生して進化していくだろう。いずれは寄付や募金などの社会貢献はモンスタービジネスとなるに違いない。そのときこそ、仮想通貨が本当の意味で大きな役割を果たす。なぜならば、将来は、慈善事業こそが人類最大の投資ビジネスになるからだ。

 

日本企業は最高のお金の使い方をしているか。

CSR先進国では、企業イメージは社会貢献で決まるほど、チャリティーやボランティアの意識が浸透している。社会貢献活動が直接的に企業のブランドやレピュテーションにつながり、企業イメージが良くなるからだ。重複するがボランティア活動を行なうことで、事業以外で企業評価と「評判」になるということだ。

話が少しずれるが、坂本龍馬は「金よりも大事なものに評判というものがある。世間で大仕事をなすのに、これほど大事なものはない。金なんぞは、評判のあるところに自然と集まってくるさ」と名言を残している。

今まで以上にCSR(企業の社会的責任)活動に日本の企業も考え方を変えていかなければならない、2020年東京オリンピック・パラリンピック後は、寄付や募金、慈善活動などはソーシャルメディアやデジタルツールによる新しい寄付や募金の概念が誕生し進化していくに違いない。繰り返し述べるが、慈善事業が大規模な投資ビジネスとなるだろう。このように、CSR活動に対しては、アメリカだけでなく、東南アジアでも、考え方が大きく変わってきている。

日本の企業も最高のお金の使い方をマスターすべきだと思う。

 


安麻比呂(やすま・ひろ)
出版ビジネスクリエイター

1962年、京都府生まれ。大学卒業後、海運・証券などの業界紙記者、経済誌の編集者、出版社の営業責任者などを歴任。その後、大手名門企業に就職したが、やはり出版業界の仕事が捨てきれず、外資系企業の出版部門に入社、担当した書籍を一大ベストセラーに導く。その後、独立して、出版社をはじめ計8社の代表取締役となる。が、総合プロモーション事業で大失敗し、100億円を超える負債を抱えてしまう。最終的には19億円が返済できずに破産して奈落の底へ転落。現在は変貌する東南アジアでの再生を夢見て、ニュース配信会社グローバルニュースアジアの取材記者などをして糊口をしのいでいる。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here