9つのキーワードで良く分かるアジア Vol.6

第6回 ブルネイ

「アジア」──と、我々は一言で簡単に言ってしまいます。
が、このエリアは、そんな「アジア」という名称だけで一括りする事はできません。歴史も背景も大きく異なっており、これほど文化が多種多様な地域もないでしょう。まだまだ基本的な情報すら知らない日本人が多いのも事実です。
このコラムでは、毎回9つのキーワードで、アジア各国の基本情報を提供しております。第1回目はカンボジア、第2回目はラオス、第3回目はミャンマー、第4回目はベトナム、第5回はシンガポールを取り上げました。
第6回目の今回は、われわれ日本人には特に馴染みが薄いブルネイです。

人口」はアセアンで最も少なく、その多くがイスラム教徒です

ブルネイの人口は41万7000人、国教とされているイスラム教徒の割合が78・8%、仏教徒が8・7%、キリスト教徒が7・8%となっています。

 

「面積」は日本の三重県ほどです

面積は5765平方キロメートルであり、日本の三重県とほぼ同じ大きさです。ボルネオ島の南シナ海側に位置し、周りをマレーシアに囲まれています。

 

「年齢」は平均30歳であり、国家として成熟しつつあります

ブルネイの平均年齢は30・6歳であり、他のアセアン諸国と比べ、際立った特徴はありません。また6割ほどの労働者が公務員として働いているため、人口ボーナスによる経済的な成長は見込めません。

 

「気候」は熱帯気候ですが、高地と平地に大別されます

全体として高温多湿です。高地は亜熱帯湿潤気候に対して、平地は他の東南アジア諸国と同様に雨季と乾季を持つ熱帯気候で、最高気温は36℃にもなります。

 

「政治」は国王が大きな力を持ち、広く国民に愛されています

国家として敬虔なイスラム教国であり、宗教的な権威とされるスルタンが国王として統治する立憲君主制の国です。また、国王が首相として政治や財政、国防にも関与しています。石油の富は王族に集中しているものの、各種の税金がかからないことから国民の不満はなく、安定した政治が行なわれていると言えます。

 

「経済」は資源に拠る割合が高く、不安定な要素もあります

ブルネイは天然資源に恵まれた国であり、アセアン諸国の中でもシンガポールに次ぐ経済水準を誇っています。しかしながら、資源輸出に偏った産業構造のため、経済成長率は他のアセアン諸国と比べて低く、また、原油価格の影響を受けやすくなっています。

「歴史」は大きな戦争に巻き込まれることもなく、安定しています

16世紀にはスペインやポルトガル、オランダが周辺諸国を侵略していきましたが、当時ブルネイは海上貿易の拠点としては立地が悪く、資源もあまりないと考えられていたため、積極的な開発が行なわれることはありませんでした。その後、19世紀末に国力低下から、イギリスの保護領となりました。20世紀に入ると、石油資源が発見され、国力を回復、第2次世界大戦を経た後、イギリスから徐々に独立していき、1984年に完全に独立を果たしました。

 

「文化」はイスラム教の影響が色濃く表れています

敬虔なイスラム教国であることから、その影響は随所で見られます。戒律が厳しく、アルコールや同性愛が禁じられています。また礼拝のため、週の休日は金曜日と日曜日であるということも特徴です。一方で、教育水準は高く、授業料が無料であるなど、国家主導の下、社会福祉も充実しています。

「日本」とはエネルギー関係を基盤とし、広く交流が行なわれています

ブルネイが輸出している天然ガスの90%は日本向けであり、輸出額の面から見ても、日本が最大の貿易相手国になっています。エネルギーを基盤とした関係に加え、人的な交流も盛んであり、「21世紀東アジア青少年大交流計画(JENESYS) 」を通して多くの青少年交流が行なわれるなど、良好な関係を維持しています。

 

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斎藤 公 (さいとう・ひろし)

ソルテックトレーディング株式会社 メディア事業部長

PHP研究所に入社し、英文月刊誌「PHP Intersect」を創刊。同社ニューヨーク事務所長を務めた後、CBC中部日本放送の関連会社に転職し、名古屋港再開発プロジェクトの企画立案を担当する。放送関連の経験を買われ、20年ほど前にシンガポールで日本語ラジオ放送「FM96. 3」の開局に従事。その後、ベトナムに拠点を移し、「ハローベトナム」「インベストアジア」を創刊し、日系企業の海外進出支援事業に携わっている。

 

 

 

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