9つのキーワードで良く分かるアジア Vol.5

第5回 シンガポール

「アジア」──と、我々は一言で簡単に言ってしまいます。が、このエリアは、そんな「アジア」という名称だけで一括りする事はできません。歴史も背景も大きく異なっており、これほど文化が多種多様な地域もないでしょう。
まだまだ基本的な情報すら知らない日本人が多いのも事実です。このコラムでは、毎回9つのキーワードで、アジア各国の基本情報を提供しております。第1回目はカンボジア、第2回目はラオス、第3回目はミャンマー、第4回目はベトナムを取り上げました。第5回目の今回はシンガポールです。

 

 

「人口」は561万人で多民族国家

シンガポールの人口は561万人で、中華系74%、マレー系13%、インド系9%の多民族国家。日本人も約3万7500人(5・6%)居住しており、日本人比率が非常に高い国です。

 

「面積」は東京23区と同程度

面積は719平方キロメートルで東京23区と同程度で、マレー半島の南端であるマレーシアのジョホールバル州の南に隣接し、コーズウェイ(橋で結ぶ土手道)によって、マレーシアとつながっています。

 

「年齢」は平均40歳

都市国家シンガポールの平均年齢は40歳で、アセアン10か国の中では一番高い数値となっています。

「気候」は熱帯モンスーン気候

シンガポールは熱帯モンスーン気候に属しているため、年中高温多湿で雨季と乾季に分かれています。例年10月から3月が雨季となり、気温も多少下がります。

「政治」は実質的にリー一族が支配しています

政治は建国の父と慕われたリー・クァンユー氏が長年に渡って首相として実質的に支配し、その後ゴー・チョクトン氏(現・名誉上級相)が14年間、首相を務めた後、2004年にリー氏の子息であるリー・シェンロン氏が政権を継承して現在に至っています。建国以来、与党人民行動党(PAP)が圧倒的多数を維持しており、内政は安定しています。

「経済」はアセアン10か国の中では最も発展しています

シンガポールは1人当たりの名目GDP(国内総生産)が5万1496米ドルで、日本を上回っています。アジアの金融センターとして、また貿易の拠点として、さらにはグローバル企業のヘッドクォーターの所在地として発展しています。

「歴史」はイギリスの植民地となった後、マレーシアより分離・独立

1400年ごろ、現在のシンガポール領域にマラッカ王国が建国されるも、1511年にマラッカがポルトガルに占領され、マラッカ王国が滅亡します。マラッカ王国の王はマレー半島のジョホールに移り、ジョホール王国を建国し、ジョホール王国によって現在のシンガポール領域が支配されます。その後、イギリス人トーマス・ラッフルズが上陸し、1824年に正式にイギリスの植民地となります。1959年にイギリスより自治権を獲得し、シンガポール自治州となり、1965年にマレーシアより分離して、シンガポール共和国として独立しました。

「文化」は多民族国家でバラエティーに富んでいる。

シンガポールは、中華系・マレー系・インド系などの多民族で構成されているため、文化的にもバラエティーに富んでいます。「チャイナ・タウン」や「リトル・インディア」と呼ばれる地域があり、それぞれの国の文化に触れたり、料理を味わうことができます。イスラム教徒向けに特別な加工を施した「ハラル料理」を出すお店もあります。

「日本」とは政治・経済・文化ともに良好な関係です。

日本とは非常に友好な関係が続き、商工会ベースで日系企業が836社進出していて、在留邦人数も約3万7500人と、他国の人口と比較すると非常に多いのが特徴です。また、シンガポール人は日本の文化に対する関心が高く、2007年の安倍総理とリー・シェンロン首相との首脳会談において、日本の文化を中心とする情報を発信する拠点として「ジャパン・クリエイティブ・センター」を設置することが合意され、2009年11月に両国首脳出席の下、開所されています。

 

——————————————-

斎藤 公 (さいとう・ひろし)

ソルテックトレーディング株式会社 メディア事業部長

PHP研究所に入社し、英文月刊誌「PHP Intersect」を創刊。同社ニューヨーク事務所長を務めた後、CBC中部日本放送の関連会社に転職し、名古屋港再開発プロジェクトの企画立案を担当する。放送関連の経験を買われ、20年ほど前にシンガポールで日本語ラジオ放送「FM96. 3」の開局に従事。その後、ベトナムに拠点を移し、「ハローベトナム」「インベストアジア」を創刊し、日系企業の海外進出支援事業に携わっている。

 

 

 

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here