9つのキーワードで良く分かるアジア Vol.3

第3回 ミャンマー

「アジア」──と、我々は一言で簡単に言ってしまいます。が、このエリアは、そんな「アジア」という名称だけで一括りする事は出来ないと思います。歴史も背景も大きく異なっており、これほど文化が多種多様な地域もありません。ですが、まだまだ基本的な情報すら知らない日本人が多いのも事実です。このコラムでは、毎回9つのキーワードで、アジア各国の基本情報を提供しております。第1回目はカンボジア、第2回目はラオスを取り上げました。第3回目の今回はミャンマーです。

 

 「人口」は5000万人を超える

ミャンマーの人口は5142万人で、人口の7割がビルマ族。そのほか、100前後の少数民族がいると言われております。カレン族・モン族・パダウン族・カチン族・パオ族など、さまざまな民族が独自の文化を持ち、生活をしています。

 

「面積」は日本の2倍近くの広さ

面積は68万平方キロメートル(日本の約1・8倍)のミャンマーは、北緯10度から28度にわたる南北に細長く伸びる国です。インドシナ半島の西部に位置し、北東に中国、東にラオス、南東にタイ、西にバングラデシュ、北西にインドと国境を接する国で、アセアン(東南アジア諸国連合)加盟国では、インドネシアに次いで大きな国土を有しています。

 

「年齢」は20代の人口が大半を占める

ミャンマーの平均年齢はおよそ27歳です。男女共に20代の人口がボリュームの大半を占めております。今後さらに経済成長が進むにつれて、若年層が労働の担い手となると同時に、消費を牽引していく層としても期待されています。また、若年層は新しい文化に積極的に関わり、他国の情報を取り入れやすいこともあり、ビジネスを行なう上でも魅力的な平均年齢にあると言えます。

 

「気候」は、中南部が熱帯、北部は温帯

ミャンマーは国土が南北に長いため、地域によって気候に違いがあります。中部から南部にかけては熱帯、北部は温帯です。ミャンマー最大の都市ヤンゴンでの季節は、10月下旬から3月までが乾期、4月と5月が酷暑期、6月から10月中旬までは雨期となり、3つの季節に分かれています。湿った暖かな風が吹き込む南西モンスーンの影響を受ける6月から9月は、曇りや雨の日が多く、高温多湿の夏となります。

 

「政治」は20年以上続いた軍事政権から民主化へ

ミャンマーでは、20年以上続いた軍事政権から、民政化に移管され、2015年の総選挙で国民民主連盟が圧勝しました。政体は大統領制・共和制を取っており、現大統領はテイン・チョーです。軍事政権下では軍部に集中していた権力は、民主化により、議会、行政府、軍の3つに分散されました。国民民主連盟党首のアウン・サン・スー・チーが国家顧問、外務大臣、大統領府大臣を兼任して政権の実権を握ったことにより、新政権は「事実上のスー・チー政権」と言われております。

 

「経済」は、GDPはまだ低いが、潜在力は高い

ミャンマーは1人あたりのGDP(国内総生産)が1275米ドルで、6・5%の経済成長率です。経済政策として、「外国投資法の改正」「土地法の整備」「中央銀行の改革」を積極的に進めておりますが、その改革に必要なソフト面とハード面のインフラが追いついていない状況です。しかし、天然資源や5142万人の人口と安価な労働力、地理的な重要性を考えると、今後の潜在力は高いといえます。

 

「歴史」は日本との縁が深い

ビルマ族が支配するミャンマーは、 11 世 紀 か ら 13 世紀にかけてのパガン朝から 始まりました。ビルマ族と他民族との争 いが続く中、 19 世紀にはイギリスの侵略 により、植民地となりました。その後、 ビルマ人は対英独立運動を起こし、日本の支援により、イギリス軍を駆逐しました。第2次世界大戦で日本が敗戦後、またイギリスの植民地支配に戻りましたが、アウンサン将軍らの反英闘争が継続し、1948年についにイギリスから独立できました。

 

「文化」はタイの影響を強く受けている

国民の9割が敬虔な仏教徒です。ミャンマーの仏教はタイと同じ上座部仏教です。多くの場面で仏教の影響が強く、目上の人を敬うことが重視されます。言語も初等教育から英語が必修になっているため、英語での会話ができるのもビジネスにおいては魅力の一つです。

 

「日本」とは密接な友好関係にある

日本とミャンマーのつながりは、太平洋戦争開戦前、イギリスからの独立を目指して活動していたビルマの支援をしたことに始まります。その後、日本は第2次世界大戦に敗戦し、ビルマから追い出されてしまいました。1954年に「日本ビルマ平和条約および賠償・経済協力協定」が締結され、1955年の国交成立後は、政府開発援助(ODA)も開始されました。現在は日本とミャンマーは密接な友好関係にあり、官民共に様々な文化交流が行なわれています。有望な生産拠点や市場として、日本企業も高い興味を示し、これからさらなる支援を続けていく考えを示しています。在留邦人数も2370人(2017年1月現在)となり、同時に日本に興味を示すミャンマー人も増えています。

 

 

——————————————-

斎藤 公 (さいとう・ひろし)

ソルテックトレーディング株式会社 メディア事業部長

PHP研究所に入社し、英文月刊誌「PHP Intersect」を創刊。同社ニューヨーク事務所長を務めた後、CBC中部日本放送の関連会社に転職し、名古屋港再開発プロジェクトの企画立案を担当する。放送関連の経験を買われ、20年ほど前にシンガポールで日本語ラジオ放送「FM96. 3」の開局に従事。その後、ベトナムに拠点を移し、「ハローベトナム」「インベストアジア」を創刊し、日系企業の海外進出支援事業に携わっている。

 

 

 

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here