9つのキーワードで良く分かるアジア Vol.4

第4回 ベトナム

「アジア」──と、我々は一言で簡単に言ってしまいます。が、このエリアは、そんな「アジア」という名称だけで一括りする事は出来ないと思います。歴史も背景も大きく異なっており、これほど文化が多種多様な地域もありません。
ですが、まだまだ基本的な情報すら知らない日本人が多いのも事実です。このコラムでは、毎回9つのキーワードで、アジア各国の基本情報を提供しております。
第1回目はカンボジア、第2回目はラオス、第3回目はミャンマーを取り上げました。第4回目の今回はベトナムです。

 

「人口」の6分の1がハノイとホーチミンシティーに集中

ベトナムの人口は約9300万人で、世界で13番目に人口が多い国です。国内最大の都市は南部のホーチミンシティーで約800万人。次が北部にある首都ハノイで約760万人。中部最大の都市のダナンが100万人程度。人口は、このホーチミンとハノイの2つの大都市に集中しています。

 

「面積」は日本より一回り小さく、南北に細長い

面積は約33万平方キロメートルで、日本から九州を除いたくらいの面積です。
南北に細長いのが特徴で、ハノイからホーチミンシティーまでは、鉄道の営業距離で約1700キロ。日本の青森─下関間と同じくらいです。西側には山岳地帯が連なり、東側には3400キロに及ぶ長い海岸線を持っています。

「年齢」は平均31歳という若者の国

ベトナムの平均年齢はおよそ31歳で、日本の46歳に比べると、非常に若いです。これからの20年ほどは、労働力の黄金期にあるとも言われております。ただし、大都市部では、すでに晩婚化や少子高齢化が始まっています。

 

「気候」は地域によって、大幅に異なる

ベトナムは南北に細長い国なので、地域によって、気候は、かなり異なります。北部にあるハノイは、日本の四季を思わせる季節の変化があり、夏は非常に暑くなる反面、冬は吐く息が白くなることもあるほど。一方、南部のホーチミンシティーは常夏で、1年は乾季と雨季の2季に分かれています。

 

「政治」は共産党の一党独裁だが、自由化が進む

ベトナム社会主義共和国という国名にもある通り、ベトナムは社会主義国。しかし、1986年に提唱された「ドイモイ」という政策のもと、共産党による一党独裁を維持しながら、自由主義経済を取り入れて目覚ましい経済成長を遂げました。現在もさまざまな開放政策が実施されています。

「経済」は1人あたりGDPが2172米ドル

ベトナムの1人あたりのGDP(国内総生産)は2172米ドル足らず。日本と比べると、18 分の1程度に過ぎません。しかし、これは全国平均であり、ホーチミンシティーなどの大都市部ではこの2倍以上の数字となります。また、海外在住ベトナム人からの送金など、表に出ないお金が経済に大きな影響力を持っています。

 

「歴史」は数々の苦難に耐えて、独立を勝ち取る

ベトナムは966年までは中国に支配されており、19世紀にはフランスの植民地となりました。現在のベトナム社会主義共和国ができたのは、第2次大戦後の1945年。その後、南北に分断された時代が続きましたが、ベトナム戦争を経て統一され、今のベトナムになったのは1976年のことです。

 

「文化」は中国の影響を強く受けている

隣の大国である中国の影響を強く受けています。例えば、ベトナム語の7割程度は「漢越語」と言われる中国起源の言葉。国民の8割は仏教徒で、これも中国や日本と同じく大乗仏教。また9割近くを占めるキン族以外に、53の少数民族がいて、独自の文化をはぐくんでいます。

「日本」との関係は年々緊密になっている

ベトナムは世界有数の親日国。その交流は8世紀に始まり、現在では、ベトナムにとって、日本は最大のODA(政府開発援助)支援国であり、経済および文化面での交流は年々盛んになっています。ベトナムを訪れる日本人は年間70万人を超え、在留邦人数も1万6000人を超えています。

 

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斎藤 公 (さいとう・ひろし)

ソルテックトレーディング株式会社 メディア事業部長

PHP研究所に入社し、英文月刊誌「PHP Intersect」を創刊。同社ニューヨーク事務所長を務めた後、CBC中部日本放送の関連会社に転職し、名古屋港再開発プロジェクトの企画立案を担当する。放送関連の経験を買われ、20年ほど前にシンガポールで日本語ラジオ放送「FM96. 3」の開局に従事。その後、ベトナムに拠点を移し、「ハローベトナム」「インベストアジア」を創刊し、日系企業の海外進出支援事業に携わっている。

 

 

 

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