カフェから見るアジア Vol.1

第1回 ビジネスマンの「憩いの場」は今どこにあるのか

 

日本の街にドトールやスタバはあふれている。けど、喫茶店がない!?

まだ、1980年代の頃──。日本の 街には喫茶店があふれていました。

暑い午後の昼下がり。オシボリでゴシ ゴシ顔拭いて、テーブルに100円玉を 積み、インベーダーゲームに熱中するサラリーマン……多かったですねえ。

当時まだ大学生だった私はそれを見て、

「サラリーマンってお気楽なんだな」

そう思いました。日本にもまだ余裕があったのでしょう。仕事ができないダメ 社員を放し飼いにして、喫茶店でウダウダさせるだけの。

コーヒーを2~3杯おかわりして、テーブルの上の100円玉がなくなったら、会社に戻って、

「今日はダメでしたねぇ」

営業成績のグラフは、いつになっても上昇しない。

当たり前だ、働いてないんだから!

それでも、小1時間、上司のお小言を聞く程度ですみました。

今や喫茶店でサボッている余裕などない

今どき、そーいった社員は間違いなくリストラでしょう。携帯電話で逐一報告入れて、どこかで監視されているイヤ~な圧迫感を味わいながら、必死の得意先まわり。喫茶店でポヤ~ンとしている時間なんぞありません。

というか……、

「喫茶店」そのものが見当あたらない!

ドトールやスターバックス(以下、スタバ)はいっぱいあります。

 

が、「喫茶店」がない!!

「ドトールで一服していこうよ」「待ち合わせは、あそこのスタバで」とは、最近よく聞かれる言葉です。

 

ドトールやスタバでも当然コーヒーは飲めますが、それを「喫茶店」とは呼びません。

まず、隣の客と肩がぶつかるくらいに席が狭すぎます。パーソナル・エリアを確保できない場所では、ウダウダ意味なく時間を過ごすこともできません。また、かつての喫茶店によくあった、1週間遅れの漫画雑誌やオヤジ系週刊誌が置かれた棚もありません。これも無駄に時間潰しする時には欠かせないアイテムだったのですが。今どき、漫画を読みたきゃ漫画喫茶に行くしかないでしょう。あそこは、本気モードで漫画を読むか、金がないカップルがラブホ代わりに利用する場所。ちょっと違いますな。

 

目的もなしにカフェには入れない

それに喫煙者には、もっと辛いです。完全禁煙店も珍しくありません。また、喫煙席のスペースはメチャクチャ狭く、狭い通路では足を組んで座ることもできません。満員電車と一緒。まあ、屋外でタバコ吸うのも気が引ける時代だけに、タバコ吸いたくなったら入りますけど……一服するという目的を果たせば、ソソクサと出ていくしかありません。そんな雰囲気ですよね。

そう、今どきのカフェは目的なしには入れないのです。狭いテーブルにタブレ ットなどを置いて、窮屈だなぁ、と思い つつメールチェックしたり。

待ち合わせした相手が来れば、「じゃ、行こうか」待ち合わせという目的を果たし、さっさと出てゆく。

目的なく無駄に時間を過ごす。それは21世紀の社会とは相容れない前世紀の思 考なんですかね? 分かんないですけど。

まあ、今どきの日本のカフェはそんな 感じですが、さてさて、アジア各国の場合はどうなっているのでしょうか。次回 からそのへんの事情を考察してみます。

 

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青山 誠 (あおやま まこと)

フリーライター

島根県出身。大阪芸術大学卒業。旅と歴史を主なテーマに『旅の手帖』『散歩の達人』『別冊宝島』など数多くの雑誌や書籍を活動の場としている。 著作には『港町に行こう!~歴史と人情とうまい魚を求めて~』(技術評論社)『江戸300藩城下町をゆく』(双葉新書)『インターネットビジネスの手順&儲け方』(すばる舎)『ツアーコンダクター 一 度はやってみたい!こんな仕事』(すばる舎)『バン コク恋愛事情愛タイ!』(双葉社)『戦術の日本 史』(宝島sugoi 文庫)『坂野惇子―子ども服にこめた「愛」と「希望」』(中経文庫)などがある。

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