カフェから見るアジア Vol.4

第4回 コリアン・カフェもシアトル系がスタンダード

 

韓国の反日や不況は、日本人が思うほど深刻な問題では、ない!?

 

釜山の「喫茶店」は日本スタイル

釜山(プサン)駅前のカフェに入りました。フレバーを効かせた濃い目のコーヒーです。そして、店の内装や雰囲気は、日本の「スタバ」とか、「タリーズ」と同じですね。もはや、シアトル系なカフェは世界標準なのでしょう。

「コーヒー」と日本風の発音で注文しても、店員はすぐに理解してくれます。日本のテレビやネットで目にする「反日」機運の盛り上がりとは真逆で、韓国人一般の日本への理解は深まっているように感じました。

しかし、「コピ チョセヨ(コーヒーください)」、そう言わなければ通じなかった20数年ほど前の釜山でも、「喫茶店」は完全に日本文化でしたね。外観も内装も日本の喫茶店と同じ。座ると、ウエイトレスが水とオシボリ持ってくるところも、完全に日本スタイルでした。

そんな「喫茶店」が、中心街の釜山タワー周辺にはいっぱいありました。いまは日本と同様に絶滅危惧種のようで、ほとんど見かけなくなりましたが……。

あった! 数軒がまだ生き残っていました。入ってみましょう。

「喫茶店」は「カフェ」よりも金がかかる

「喫茶店」にいる客は60歳過ぎた老人ばかり。また、ウエイトレスも、今風のカフェと比べると、平均20歳以上は高年齢です。しかし、その数は多い。客1人に対してウエイトレス1人。飲み物を1杯奢ってやれば、対面に座って話し相手にもなってくれます。韓国の「喫茶店」は、日本でいうキャバクラやスナックのような存在なのです。また、女のコを気に入れば、連れ出して近くのラブホテルに行くこともできるのだとか。

しかし、これも古いスタイルの風俗。いまは完全に廃れ、あと数年もすれば消えてなくなるかもしれません。最近は不況の風が吹きすさぶ韓国なだけに、昔ながらのこういった風俗店のような喫茶店のような、よく分からない感じの店は、さらに苦境に追い込まれているようです。コーヒー代も今風のカフェよりはやや高め。さらにウエイトレスに飲み物を奢ったりすれば、もっとコストはかさみますから。

「カフェ」は若者たちで賑わっている

一方、釜山駅前の「カフェ」のほうは、平日の昼間から20代の若い人でいっぱいでしたね。

「仕事はどうしたのだろう?」と、人ごとながら心配になります。つい「不況=就職難=カフェで暇潰しする就職浪人」と、勝手にそのような想像をしちゃって。

コーヒー代は日本とほぼ同じくらいでした。

でも、アルバイトの平均時給は日本の半額程度、交通費を支給する企業は稀だとか。サムソンとか現代重工業のような大企業にでも就職しない限り、生活は厳しいそうです。ましてや、巷にあふれているという契約社員やアルバイト、就職浪人にとっては、このコーヒー代も負担なはず。

それでも、若者たちにはまだコーヒーを飲んでダベる余裕がある。それは事実です。案外、韓国の不況も反日と同様で、日本で聞かれるほどには深刻なものではないのかもしれません。

 

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青山 誠(あおやま・まこと)

フリーライター

島根県出身。大阪芸術大学卒業。旅と歴史を主なテーマに『旅の手帖』『散歩の達人』『別冊宝島』など数多くの雑誌や書籍を活動の場としている。著作には『港町に行こう!~歴史と人情とうまい魚を求めて~』(技術評論社)『江戸300藩城下町をゆく』(双葉新書)『インターネットビジネスの手順&儲け方』(すばる舎)『ツアーコンダクター一度はやってみたい!こんな仕事』(すばる舎)『バンコク恋愛事情愛タイ!』(双葉社)『戦術の日本史』(宝島sugoi文庫)『坂野惇子―子ども服にこめた「愛」と「希望」』(中経文庫)などがある。

 

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