マレーシア進出の「ツボ」 Vol.10

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外国人投資家の保護が厚いマレーシア

マレーシアは、外国企業や外国人投資家を保護するために、様々な施策が実行されております。
アジア・第三世界でこれほど投資チャンスに恵まれている国は少ないでしょう。
その実情をご報告いたします。

マレーシアは海外送金の自由を保証

マレーシア政府は、外国人投資家に対して、出資が認められた企業には、政府からその出資比率の変更を求めることはない、と明言しています。また、利益・資本・その他の支払いの海外送金の自由も保証しています。

私が聞くところでは、アセアンの国々の中ではいまだに資金の持ち出し・海外送金が非常に難しいところがあるようです。

これだけ時代がグローバル化しているわけですから、すべての外国人投資家にとって身近な問題であり、かつ重要なことは「海外送金の自由」であると思います。

マレーシアは、アジアの金融センターである香港やシンガポール同様、外貨の送金(むろん着金も)は自由にできます。

現在のところのガイドラインでは、5万マレーシア・リンギット(約135万円)以上の海外送金の場合にだけ、中央銀行であるバンク・ネガラへの届け出が必要ですが、この届け出は至ってシンプルで、取引銀行で必要事項を中央銀行の書式に記入し、送金者は送金目的の項目を選び、署名するだけです。

日本企業や日本人投資家の権利を保護

また、この国は60を超える国とすでに投資保証協定(IGA)を結び、外国人投資家の利益の保護も徹底しています。

実は、これだけすさまじく日本からの投資が行なわれているにもかかわらず、日本とマレーシアの間には投資保証協定はまだ締結されていません。

しかし現実的にはこの協定はすでに日本の投資家にも実質的に適用されています。国有化・収用からの保護、投資紛争解決協定に基づく紛争解決の保証などが運用されています。

外国企業の国有化からの保護の問題は、日本国内で活動する起業家にはピンと来ないかも知れません。

しかし注意深く国際ニュースを見ると、たとえば中南米やアフリカ諸国、中東諸国で政権交代が起こった際に、外国企業が所有していたインフラや資産が一方的に国有化されたという話は山のようにあります。

それを行なわない、と明言しているのがIGAです。

最後に、2006年(小泉元首相とアブドーラ元首相の時代)に発効した、日本にとっては3番目になった日本・マレーシア経済連携協定により、マレーシアに進出する日本企業や日本の投資家の権利の保護がさらに強固なものになり、今に至っています。


鵜子幸久(うのこ・ゆきひさ)

桜リクルート社 代表取締役社長

リクルートに入社し、『ホットペッパー』の神戸・ 大阪エリアの創刊に携わり、各地の初代編集 長を務める。兵庫FM ラジオ放送(Kiss-FM KOBE)では番組審議委員を担当。2003 年 にクアラルンプールにて桜リクルート社(Agensi Pekerjaan SRM.Sdn.Bhd.)を創業。「人材紹 介事業」「ビジネス・コンサルタント事業」「日本 の学校機関誘致事業」などを通じて、アジアと 日本との架け橋となるべく活動中。 2014 年の 年頭に発行された週刊『AERA』(朝日新聞出版) では「アジアで勝つ100 人」に選ばれた。

 

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