ミャンマーで会社を設立する

第1回 規制緩和は進んでいるが、手続きは進まない?

 

27ミャンマーで会社を設立するためにはどうしたらいいのか──その手順などを説明いたします。

 

外資系企業の進出状況

日本とミャンマーが共同で取り組んでいる経済特区の開発プロジェクトであるティラワー工業団地では、日系企業をはじめとした外資系企業の進出で、大量の雇用や製造業の成長が見込まれております。

 

ローカル企業保護の観点から外資に対する登記申請に対して監督の目が厳しさを増している一方で、ミャンマー政府の方針から、会社設立時の最低資本金の撤廃や金融業の一部開放、小売・卸売業に対する規制も緩和していることなど、今後もさらに外資誘致が進んでいくことは間違いありません。

 

ただし、現在はまだ会社設立の登記手続きがスムーズに進まないという実態もありますので、申請手続対象となる事業の規制項目や過去数年内に同業種・同形態の進出企業が存在するかどうか、その先行した進出企業が実際にどのような部分で手間がかかったか、などの実績を重視した事前の調査が有効になります。

 

また、2014年8月より外資系企業の最低資本金設定の規制が撤廃されたり、法的部分の変更や修正が行なわれているために、そのつど確認が必要となります手続きを進めるにあたっては、事前に該当省庁に確認しながら進めることをお勧めします。

 

会社を設立する2つの方法

ミャンマーで会社を設立するには、2つの方法があります。

 

ひとつはミャンマー投資委員会(MIC)に投資申請し、外国投資法に基づく投資許可を受けた上で、国家計画経済開発省、投資企業管理局(DICA)から営業許可を受ける方法です。

 

もうひとつの方法は、MICより許可を取らずに、ミャンマーの会社法に基づき、国家計画経済開発省、投資企業管理局から営業許可を取得するという方法です。

 

外国投資法は、1988年に制定されたものが見直され、2012年に新法案が成立し、運用が開始されています。

 

会社設立を申請する

  • 外国投資法に基づく投資許可申請

外国投資法に基づく優遇措置を受ける 場合、ミャンマー投資委員会に投資申請 し、許可を受けた上で、国家計画経済開 発省・投資企業管理局から営業許可を受 けるプロセスとなります。 2012年に施行された外国投資法では、これまで規定されていた最低資本 金(製造業50 万米ドル、サービス業 30 万 米ドル)が撤廃されています。

 

ただし、少額の投資でもMIC認可が 取得できるとは限らず、従来の外国投資 法で決められていた最低 資本金程度の 提示を求められるケースもあります。

 

  • ミャンマーの会社法に基づく会社設立

ミャンマーの会社法に基づき、会社を設立することになります。会社法では、 最低資本金を従来は以下のとおり規定していましたが、2014年8月より全ての最低資本金設定が撤廃されております。

 

【従来の最低資本金額】

  • 製造業・建設業・ホテル業 15 万米ドル
  • 商業50万チャット相当額の外貨規定なし
  • サービス業・旅行業・銀行・保険連絡事 務5万米ドル

 

ただし、現在も設立に関係する送金部分にて着金証明を求められたりしている ために、従来通りの最低資本金は提示できるように準備しておくことが必要です。

 

商業に関し、過去、外国企業に商業許可が出されていないことから、現時点では申請許可は期待できませんが、2014年に、小売・卸売業に対する外資規制は撤廃する方向との方針が発表されました。対象企業に関しては、動向を常時確認しておきたいところです。

 

また、2002年から外国企業が「貿易業」として企業登記することは凍結されていますが、CMP(Cutting Making and Packingの略)といわれる委託加工 業者および製造会社の場合は、外国企業であっても、原材料や加工品等の輸出入は可能です。

 

  • 支店・駐在員事務所の申請手続き

ミャンマーの会社法では、支店と駐在 員事務所の区別はなく、外国企業の支店(Branch Office)として定義されています。法人格はあくまで親会社にあり、支店・駐在員事務所(Liaison Office)は非居住外国人扱いとなります。金融機関など一部の例外を除き、「支店」として登録され、親会社が駐在員事務所として進出しても、支店扱いとなるのが一般的です。

 

駐在員事務所は、情報収集は許可されますが、営業活動、商業活動は許されま せん。ミャンマーの会社法では、支店ス テイタスでも、営業許可申請書に希望する事業内容を記載し、許可を取得することで営業活動は可能となります。

 

次回は、会社設立までの流れ、会社設立に必要な書類などについて説明いたします。

 

 

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中村亮 (なかむら りょう)

アール・シー・レックス 株式会社 日本側代表

1983 年、神戸生まれ。大学卒業後、住宅メーカーに就職し、土地活用・商業建築の企画・ 営業を担当。退社後、海外ビジネスを展開している日系企業の事業に携わる。2010年、ミャンマーにて、R-See Rex Co.,Ltd. を設立し、日本企業のミャンマー進出を支援する業務を開始。また、貿易事業やレストラン「KoSAN」の運営もしている(現在3店舗)。ミャンマーと日本との懸け橋になるよう、「挑戦」をモットーに奮闘中。

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