どこまで行けるか?「日本スタイル」 vol.3

第3回 国力から考えるアジアと日本

 

「国力」というと、その言葉のイメージから、国土の大きさであったり、国民の人口であったり、GDP(国内総生産)などの経済力であったり、と漠然と感じているものではないでしょうか。ある日、恥ずかしながら、バングラデシュの人口が日本よりも多いことを知りました。いったい、本当の意味での「国力」とは何なのか──。結論がすぐに出る命題ではありませんが、少し考察してみたいと思います。

 

人口は「国力」なのか?

日本については、アジア極東の中規模国という認識を私も持っていたのですが、人口の順位では世界第10位でした。これを「意外」と思うか、「やっぱり」と思うか。人それぞれかもしれませんが。

人口が10億人を超える中国やインドは、その国土の大きさから言っても、ま さに大国というイメージがあるかと思います。今後の経済成長から言っても、さらに大きな消費国となっていくのが簡単 に予測できます。

 

最近ギクシャクしているEU(欧州連合)は、集合体にすると、5億人を超えますが、例えばイギリス連邦のみであれば、6300万人にしか過ぎず、集合体になることで規模感を大きく感じさせていることが分かります。

 

人口に比例して国の発展や世界への影 響力があるわけではないということですね。人口順に見たときの国順が今までの世界での発言力の大きさとは言えません。発展途上にあった国が経済力を上げていって、例えば、人口の多いインドネシアやバングラデシュが、今後大きな発言力を増していくのかどうか……。今はまだ分かりません。

日本はアジアのナンバーワンからワン・オブ・ゼムに

1人当たりのGDP(国内総生産)成長率(2016年)から見ますと、アジアでは、1位カンボジア(7%)、2位ラオス(6・94%)、3位バングラディシュ(6・92%)の順となっています。1人当たりのGDP(2016年)は、1位マカオ(6万7079米ドル)、2位シンガポール(5万2860米ドル)、3位香港(4万3527米ドル)、4位日本(3万8917米ドル)。GDPの総額で見ると、1位中国、2位日本、3位インド。その後、韓国、ブルネイと続きます。何を言いたいというわけではないのですが、アジアにおいて日本だけが進んだ国ではなくなってしまったのが、各種のデータで分かります。

 

いわゆる日本の厳しいビジネス環境で勝ち抜ければ、海外どこに行っても通用すると言われることがよくあります。日本から進出を検討している「中小企業経営者」に聞くと、やはり東南アジアの市場に関して、大きな魅力を感じているのが分かります。しかし、未だに内需規模の大きな日本国内でしのぎを削っているビジネスマンの感覚と、高い成長が約束されているアジア諸国のビジネス感覚には、大きな隔たりを感じます。

 

果たして、日本人は今後もアジアで通用するのか。そして、日本の国力はこのまま維持できるのか……。アセアン経済統合体(AEC)が発足してから2年近く経った今、私は日本の「未来」に確信が持てません。

 

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井芹二郎(いせり・じろう)

バンコクポルタ株式会社 代表取締役社長

熊本県出身。リクルートにて、求人情報誌の創刊プロジェクト、地域活性化事業、狭域エリア事業のシニアダイレクター、メディア・プランニングと媒体設計にたずさわる。2008年、タイのバンコクでPR企画会社バンコクポルタを設立。消費意欲が高まるタイのバンコクで、トラベル・インバウンド・サポート、ライフスタイル・マーケティング、日本企業のタイ進出支援、イベント企画などを行ない、日本国内では自治体や民間企業のアドバイザーを務めている。

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