どこまで行けるか?「日本スタイル」 vol.7

第7回 会社経営は負けから学べ

会社の経営もギャンブルである。というと、賛否両論があるでしょう。
ただ、この2つには、共通点があることも否定できません。
負けることもあるし、勝つこともある。ずっと負け続けることも、ずっと勝ち続けることもありえない。
一つだけハッキリと言えるのは、人間は負けて初めて学習する、ということです。

ギャンブルにも必勝法があった?

ラスベガスをぶっとばせ』という映画の原作になった書籍を読みました。ストーリーは、MIT(米国マサチューセッツ大学)の学生が、得意の数学や統計を通して、必勝法を編み出し、ブラックジャックというギャンブルで大儲けをするというものです。
彼らの使うカウンティングと呼ばれる手法は、A~13までのカードをある手法で読み取ることで、ディーラーが配る前の残りのカードの勝つ確率を知ることができるというものです(現在では基本的にカジノでの禁じ手となっています)。
何とこの話は、実話に基づいており、1995年頃のラスベガスでは、一部のカウンターと呼ばれる大学生が、この手法を使って、アメリカ中のカジノで大金を稼いだのだそうです。
平日は堅実で真面目な大学生が、週末になると、「ハイローラー」と呼ばれるカジノのVIPに変身して、ブラックジャックで荒稼ぎをします。
イカサマと違って、仕掛けをつくることをしないカウンティングは当時、司法から合法とお墨付きをもらっていたため、カジノ側は大いに頭を悩ませたとのことです。

 

カンボジアのカジノで試してみたら……

この書籍の最後に、カウンティングの説明がありました。ブラックジャックは、ディーラーから配られるカードが合計21に近いほうが勝つという単純なゲームですが、10・J・Q・K・Aの5枚gのカードをマイナス1とカウント。2・3・4・5・6の5枚のカードをプラス1とカウントする。勝負台に出ている全てのカードをカウントするのですが、その総和がプラス5以上になったら、プレイヤーの勝つ確率が上がっているという統計学です。
意外に簡単な仕組みに驚き、たまたま出向いたカンボジア国境のカジノでこの手法を試してみました。
それがすごいのです。最初にあった賭け金が見る見るうちに減っていき、あっという間に持ち金が尽きてしまいました。
もう一度この本を読み返すと、「最低100回はベットできる資金が必要」と書かれていました。つまり、偶然勝ち続けることも負け続けることもあるので、100回はベットしないといけないということです。10回くらいのベットで結果を求めた僕は、かなり近視眼だったのでしょう。

負けを知ることで
勝つことができる

カンボジアからの帰路、田村光昭『魅惑の魔都マカオでバカラ漬け』(現代書館)という博徒の本を読みました。
ギャンブルとは、負けを知るゲームだ、と書かれていました。
深い言葉です。この考え方は、会社経営にも通じる言葉だと感じています。
田村氏は「負けを払い続けてきたから、勝つことができる」「負けの理由は論理的に説明できるが、勝ちパターンの方法論はない。運気も含めて合理的なものではない」「負けるときも、勝つときも、冷静であれ」などと書いています。
「儲けの必勝法」とか、「勝てるビジネス○○の法則」とか、楽してお金儲けしようというようなキャリア・ポルノ的なコンテンツを目にする度に、心の寂しさを感じるのは、「儲けの必勝法」を僕が知らないからでしょうか……。
あっ、でも僕は「生きる必勝法」なら結構知っておりますよ。

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井芹二郎(いせり・じろう)

バンコクポルタ株式会社 代表取締役社長

熊本県出身。リクルートにて、求人情報誌の創刊プロジェクト、地域活性化事業、狭域エリア事業のシニアダイレクター、メディア・プランニングと媒体設計にたずさわる。2008年、タイのバンコクでPR企画会社バンコクポルタを設立。消費意欲が高まるタイのバンコクで、トラベル・インバウンド・サポート、ライフスタイル・マーケティング、日本企業のタイ進出支援、イベント企画などを行ない、日本国内では自治体や民間企業のアドバイザーを務めている。

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