どこまで行けるか?「日本スタイル」 vol.9

第9回 遠くアジアの片隅から日本を眺めてみれば

我が祖国ニッポンは、いつの時代も政治が上手くいってないような印象があります。国防の問題、年金の問題、雇用格差の問題、高齢化する世代の問題、行政改革の問題……。日本のマスコミの政治トピックとしては、政治資金の不透明性に関わる問題や沖縄基地の問題などなど、ネタが尽きることがありません。
異国から我が祖国ニッポンを眺めると、母国にいる時とはまた違った姿が見えてくることがよくあります。

 

常に不安を持っている日本国民

日本は戦後73年も経とうとするのに、未だに自虐史観に束縛されています。とどのつまり、アイデンティティーに関わる自覚が間引かれて、その影響を国民が受けているのでしょう。 日本は戦後73年も経とうとするのに、未だに自虐史観に束縛されています。とどのつまり、アイデンティティーに関わる自覚が間引かれて、その影響を国民が受けているのでしょう。

だが、しかし、と思うのです。

1945年敗戦──。

戦後史が73年前から始まった日本は、その後の復興の過程を経て、1970年代には、近代化し、経済大国と言われるまでになりました。その過程で、立派なゆるぎない官僚体制を築き、国そのものの運営を安定的なものにしていきました。結果、1億総中流意識を持てる豊かな国になりました。

社会保険制度や医療・福祉制度の恩恵に与れない国民は少数でしょうし、雇用・失業保険も多くの人が享受しています。企業への保障という点でも、中小企業への補助・融資などがさまざまな局面で制度化されています。

しかし、国民は満足しないのです。また、マスコミもさらなる問題を発掘しては、フォーカスし、国民に不安感を提供しています。

異国にいると日本が輝いて見える時がある

こんな国内感情と距離を置いた異国に長く住んでいると、そのヒステリックな状況から離れて冷静に考えることができます。また、自分の生まれた故郷への帰属意識も高まっていきます。

海外にいることで、ニッポン国の様々な制度の外に置かれます。雇用保障や医療保障といったライフラインや日本では想定できぬリスクから身を守る意識がどこかで働きます。すると、日本の持つ様々な制度がキラキラと輝いて見えてくる時があります。

日本人が無知にされているのは、教育と戦後の歴史観においてです。この自明なことを正しく理解さえしていれば、ニッポン国がどのようなうねりを経験してきたのか、正しく認識することができます。歴史を知ることで、現在の出来事の起因と結果を推し量ることも可能になるでしょう。

民主化という正当なるテーゼに隠されたウソが見抜けないのは、いつの世も普通の国民なのかもしれません。絶対的な正義を説く指導者の前で、多くの人が死んでいったことが、歴史の残酷さと必然でもあります。

 

 

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井芹二郎(いせり・じろう)

バンコクポルタ株式会社 代表取締役社長

熊本県出身。リクルートにて、求人情報誌の創刊プロジェクト、地域活性化事業、狭域エリア事業のシニアダイレクター、メディア・プランニングと媒体設計にたずさわる。2008年、タイのバンコクでPR企画会社バンコクポルタを設立。消費意欲が高まるタイのバンコクで、トラベル・インバウンド・サポート、ライフスタイル・マーケティング、日本企業のタイ進出支援、イベント企画などを行ない、日本国内では自治体や民間企業のアドバイザーを務めている。

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