俺たちに明日はあるのか ──現在の「負け組」から未来の「負け組」へのメッセージ

 

第1回 再び「敗戦」に向かう「ニッポン低国」

 

失われた20年──。これが30年になるのか、40年になるのか。日本経済の復活の兆しは今もまだ見えない。果たしてニッポンは再生するのだろうか。バブル時代の日本を駆け抜けた男が、自らのしくじり人生を語る。

 

この道はいつか来た道

いま日本は不動産と株式の投資ブームだという。バブル崩壊とリーマン・ショックを経験したはずなのに……。またその同じ轍を踏むのか……。

 

いや、今回のブームは、それらとは根本的にその目的だけは違うようだ。その理由とは「日本国政府が信用できないから、年金に替わるものを今から準備しなければ生き残ることができない!」に尽きている。

 

首都圏では連日、参加費1~3万円の投資セミナーが開催され、いずれも盛況らしい。だが、根本の目的が変わろうと、不動産投資も株式投資も、「資源ビジネスの終了した金融資本主義経済」のなか、今までの流れと全く変わらない。投資セミナーへの参加など、大学受験とかぶって見える。「全員が合格」するはずなどないのだ。その合格率(株式・不動産投資で一攫千金=億万長者)は、一流大学の合格率より遥かに至難だろう。

 

「駅に近くて利便性のある物件を狙いましょう。これから着目すべきところは福岡です!」とか、熱心に講義を聴いている周りは、みんなライバル?

 

いや、それ以上の敵なのだ!

 

その歳になってまで、「周りはみんな敵」という体験をする、その感覚が私には分からない。

 

では、どうすればいい?

 

「老後4000万円ではまだ不安、75歳まで働きましょう!」

 

働き口どうするんだよ!!

 

マスコミと同調して煽る「無策政府」を前に「座して死を待つ」のみ、なのか ……。

 

「簡単でしょ。日本人、みんな農業をやればいいんですよ」

 

タイの農村部でリタイアし、趣味で農場経営をしているK太郎氏はこともなげに断言する。

 

過去の教訓から何も学ばない日本人

そのK太郎氏にタイの首都バンコクで会う機会があったので、シンハビールを酌み交わしながら、ロング・インタビューした。

 

「今の日本の老後に備えた投資ブームをどう思いますか?」「バブル崩壊、リーマン・ショックから何も学んでないんですかね。投資セミナーなんかに参加する段階では、もう遅いんですよ。そりゃ、その参加者の100人に1人くらいは、いま持っている2000万円を5000万円に増やすことに成功して、ああ、これで老後は安泰だ……となるでしょう。それも5000万円に増やしたところで引退した場合です。ところが、人間、そうはいかない。時価が5000万円になっても、まだそのまま株として、投資として持っている……。バブル崩壊やリーマン・ショックみたいなものは歴史上特別なもので、もうない、なんてのは幻想です。それは世界の情勢が証明しているじゃないですか。話をもっと根源的なところに戻しましょう。これから日本の不動産や株式が、安倍自民党政権が掲げる理想的な上昇を続けるのには、外国からの資金の流入に頼る以外にないんです。世界一の少子高齢化で、内需は全く見込めない。資源もない。頼みは外国からの移民と旅行者です。不動産も中国人に買ってもらうしかない。それも中国政府が資金持ち出しに規制をかけたから急速に減退している……」

 

K太郎氏は、現在は決して成功者とは言えない。ある意味で「負け組」である。

 

否、実は彼もリーマン・ショックで破綻したひとりなのだ……。

今後この連載により、彼が辿ってきた道を示すことで、これからの日本でど う動いていくのがいいのかを示したい。読者の参考になれば幸いである。

 

—————————————KAKUSYA

南島三郎(みなじま・さぶろう)

大阪出身の50代。日本ではマスコミの周りをウロウロしていた。リーマン・ショック後、クレジットカード破産。日本、タイ、カンボジア、フィリピンをグルグル回っている。現在、カンボジアのシェムリアップに家を借り、タイの カンチャナブリ県に農場を所有している。妻はタイ人で娘が1人いる。

 

 

 

 

 

 

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