フィリピンの「常識」を知らずに仕事ができるか! 第10回

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第10回 買い物に行ってはいけない?

フィリピンでの買い物はなかなか一筋縄では行きません。ファストフードにしろ、コンビニエンス・ストアー、スーパーマーケットにしろです。特にこれからのクリスマスシーズンは買い物客、買い物の量とも1年中で最も多くなるので買い物に行くのが憂鬱です。

 

最大の鬼門はレジ

フィリピンで買い物するときに一番の問題はとにかくレジが遅い事です。冷凍食品なんか買った時は融けちゃうんじゃないかって心配になるほどです。

何故そんなに時間がかかるのかというと、いくつかの理由が見受けられます。

まず、第一に手際の悪さです。たとえば同じ品物を10個買った場合、1個をバーコードで読み込んで、後は×10とすれば良いのに、全部一つずつバーコードを読み取らせます。特にフィリピンの場合は小分けした商品が多いので、こんな不手際に遭遇する確率はかなり高いです。

第二はクレジットカードやデビットカードで支払いをする場合のカード読み取り機や電話回線の不具合です。そのレジでカードが読み取れなかったら、近所のレジから読み取り機を借りてきて再挑戦したり、お客に他のカードを使ってくれないか頼んだり、まあ、見ていてすんなりカード決済ができた時は心の中で拍手してしまいます。

第三は打ち間違いの訂正です。レジのオペレーターは犯罪防止のため、打ち間違いを自分自身で訂正できません。責任者を呼び出しサインか卓球のラケットのようなもので呼んで訂正してもらいます。この責任者の人数が少ないのか忙しいのか、なかなか来てくれません。責任者が来て訂正してくれるまで、じっと待っているしか術はありません。

買いたいのに買うこともできない

第四はつり銭の不足です。特にクリスマスシーズンにはそれが顕著になり、私は去年のクリスマスシーズンにコンビニエンス・ストアーで買い物をした際、つり銭不足で売るのを拒否されました。500円分くらいの金額の買い物を1000円くらいのお札で支払おうとしたら、つり銭がないので売れないと実に清々しく拒否されました。こんなところにもサプライヤー=キングのフィリピン人の心情が表れています。スーパーマーケットでも、レジでつり銭が足りなくなると、近所のレジで両替してもらったり、責任者を呼んで、つり銭の補充をしてもらうまで待たなければなりません。

第五は予算オーバーのお客の対応です。ちょっとわかり難いかも知れませんが、例えば1万円しか持っていなくて、買い物籠には1万円以上の商品を入れちゃっているお客さんの事です。滅多にいませんが、必要な物の優先順位をちゃんと考えているお客は必要物順にレジを通して予算オーバーする前に残りは返却するのですが、何も考えていないお客は予算オーバーしてから、これはいらない、あれはいる、って始めます。その度に責任者を呼んで訂正をしてもらわなければならないので時間がいくらあっても足りませんし、レジの周りにはキャンセルされた商品が無造作にカートの中に入れられて放置されています。冷凍食品等傷んでしまっても平気で元の場所に戻すことになるわけです。

日本のように全ての商品に値札が付いている訳ではありませんし、棚に表示されている価格も合っているかどうか怪しいのも原因なんですけどね。

こんな様子なので、私はお店に入ると、まずレジをチェックします。レジに行列ができていたり、カートが山積みの買い物客が多かったりしたら、そのお店は諦めます。

 

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滝 修二(たき・しゅうじ)

日系金属加工会社 フィリピン現地法人代表

50代半ば。大学卒業後、地元の商社に就職。その後、地方公務員となる。フィリピン在住は10年余。日系金属加工会社のフィリピン工場で生産管理・品質管理を担当した後、現職。日夜、不良品対策や現場指導に頭を悩ませている。趣味は読書と釣り。

 

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