フィリピンの「常識」を知らずに仕事ができるか! 第四回

第4回クリスマスのためなら喜んで働きます

 

フィリピンは日本ではありません。当たり前ですよね。なぜそんな分かりきったことを改めて言うのか、ですが、仕事への考え方など、日本人とフィリピン人は、かなり異なるからです。生まれ育ってきた「カルチャー」が大きく違うので、単純にどっちが正しいか、と言うことはできません。そのために、われわれ日本人も苦労する次第です。

クリスマス・パーティーは会社で最も大事な行事

フィリピンでは、「BER」が付けば、クリスマス気分とよく言われます。こ
れは9月(September)に入れば、クリスマスの準備を始めるという意味で
す。さすがに9月はちょっと早すぎますが、10月も半ばを過ぎれば、あちこちで「パロル」と呼ばれるクリスマスの電飾が売られ始めます。

弊社でも、11月に入ったとたんに事務所の中にクリスマス・ツリーなどが飾られました。普段は指示しても、なかなか動かないローカルスタッフも、こういった事は実にテキパキとやります。会社のマネジメントを任されている方々は常々、是非とも仕事に生かしてもらいたいと思っている事でしょう。

会社で催されるクリスマスパ・パーティーは、社員にとって最大の年中行事かも知れません。パーティーは、予算によって、リゾート地やホテルを借りて催したり、会社の倉庫などを使ったり、と様々です。

クリスマスにかける情熱の1割でいいから仕事をしてほしい

そのパーティーと言いますと、仕事が終わった18時から19時くらいからの開始となります。当日、仕事は定時より1時間か2時間早く終わり、パーティーの支度をする者、着替えのために帰宅する者などがいます。日本人は近所の食堂などで軽く内輪だけの忘年会(?)をしたりします。

パーティーにはテーマがあって、例えば今年のテーマが「動物」ならば、それにちなんだ格好で参加しなくてはなりません。会場がオープンすると受付が始まり、ビンゴカードや食事、飲み物のバウチャーを受け取り、席に着きます。開会の辞、国歌斉唱、讃美歌、来賓のあいさつ、乾杯となり、社員の顕彰がそれに続きます。それからセクション対抗のコンテスト、ダンス等と続き、最後にビンゴ大会で、会社が提供したクリスマス・プレゼントをローカル・スタッフに分配します。

このような事も、誰の指図も受けずにローカル・スタッフの中で委員会を作り、ずいぶん前から準備を行ないます。セクション対抗のコンテストの練習は終業後、会社の駐車場やバスケット・コートなどで、それはもう真剣にやっています。その情熱の1割でいいから、QC活動など会社のために使ってもらいたいものです。

クリスマスが近づくと、子供と役人からたかられる

取引相手や関係省庁にクリスマス・プレゼントを贈るのも、会社ごとではなくて、担当者ごとに贈らなければならない場合もあるので、結構な負担です。ひどい担当者になると、何々が欲しいと言ってきます。

自宅のほうでは、以前何の飾りつけもしないでいたら、大家さんが気の毒がって、玄関に電飾を付けてくれました。まあ、私のところだけ飾りがないのが、みっともなかったからかも知れません。

学校が休みになると、子供たちが3、4人で家の前でクリスマス・キャロルを歌い、お小遣いをねだりに来ます。いつもは無視していたのですが、一度あまりしつこいのでお金をあげたら、5分もしないうちにもっと大勢で来られてしまった事がありました。あそこの家はお金をくれると言いふらされたようでした。

もう一つ気を付けなければならないのは、警察、入国管理局、税関です。いろんな言いがかりをつけて、UTT(アンダー・ザ・テーブル、つまり賄賂)をせしめようとします。普段でもそうですが、クリスマスが近づくと、それが露骨になり、かつ金額が跳ね上がります。

 

 

———————————————

滝 修二(たき・しゅうじ)

日系金属加工会社 フィリピン現地法人代表

50代半ば。大学卒業後、地元の商社に就職。その後、地方公務員となる。フィリピン在住は10年余。日系金属加工会社のフィリピン工場で生産管理・品質管理を担当した後、現職。日夜、不良品対策や現場指導に頭を悩ませている。趣味は読書と釣り。

 

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here