フィリピンの「常識」を知らずに仕事ができるか! 第五回

第5回 フィリピンが抱えている問題

 

フィリピンは日本じゃありません。日本とフィリピンの間にはカルチャー・ギャップがあるのも当然です。そうは分かっていても、われわれ日本人には理解できないことが少なくありません。フィリピンには解決しなければならない多くの問題があります。しかし、それらの処理はいつも先送りされる……。今回はフィリピンが抱えている様々な問題を取り上げます。

 

解決していない問題が山積み

改善されない交通渋滞、故障続きの鉄道、増加する犯罪、公務員の汚職、犯罪者になる警察官、貧困の拡大、蔓延する反政府勢力等、お馴染みの問題が今年も持ち越されようとしています。

首都圏の交通渋滞は、数年前から、ナンバーによる乗り入れ制限(カラー・コーディング)や貨物車両の乗り入れ時間規制(トラックやバン)、または一部バス・ターミナルの設置をしましたが、それほど効果が感じられません。

交通渋滞の切り札である鉄道も、保守をする会社が日系企業から韓国系企業に変わったとたんにトラブルが続発しておりました。

汚職や犯罪が蔓延している

公務員の汚職や犯罪も相変わらずです。マニラの歓楽街での警官(あるいは警官を装った者)による観光客恐喝事件も頻発したまま。誰も逮捕されていません。マニラ空港の職員は世界最悪とも言われております。邦人の殺害事件が起きても、犯人が逮捕されることはほとんどありません。

これでは「公務員を見たら犯罪者と思え」と言われても仕方がないと思います。この国に自浄努力を求めても空しいだけかと暗い気持になってしまいます。

中間層とは付き合いたくないのが本音

経済的に中間層が増えてきているのは、フィリピンにとっては良い事だと思います。自動車の販売台数は毎年増加し、ワーカーでもバイクを買えるようになってきています。これは低迷している第1次産業、第2次産業に比べ、第3次産業の健闘が寄与しているように思えます。

コールセンターや観光業、インターネットを介した語学教室なども勢いが
あります。ただし、このように急成長する産業はまた衰退も早いことを肝に銘じておいたほうが良さそうです。

それと、こちらに住んでいる者としては、あまり中間層とはお付き合いしたいと思いません。それは、小金を持って勘違いしている人が多く、横柄で鼻もちならない印象が強いからです。

海外への出稼ぎ者が経済を支えている

フィリピン経済を支えるもう一つに「OFW」(海外就労者)からの送金があります。フィリピンのGDP(国内総生産)の10%とも20%とも言われています。一族に1人「OFW」が居れば、それで生活できるわけです。

「OFW」の職種は、家政婦や土木建設作業員、または看護師などで、就労先は中東・オセアニア・北米・シンガポール・香港等英語圏が主ですが、最近では台湾にも行く人がいるそうです。

ひと昔前の日本でも、ダンサーやシンガーの名目で就労ビザが年間6〜8万人も発給されていたそうですが、人身売買の疑いがあるとの事で、ビザの発給が厳格になり、現在は当時の10分の1ほどに減っております。

しかし、サウジアラビアやイランなど中東の混乱で、今後の就労先には変化が現れるでしょう。フィリピン政府は、中東での就労機会が減った分を再び日本や近隣諸国での就労に振り分けたい旨を表明しておりますが、うまくいくかどうか不透明です。

そもそも、自国内に就労させるように努力するべきで、外国に出稼ぎに行く事やその稼ぎにおんぶに抱っこしている国家や「OFW」の一族が恬として恥じていないのが、フィリピンの問題だと思うのです。

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滝 修二(たき・しゅうじ)

日系金属加工会社 フィリピン現地法人代表

50代半ば。大学卒業後、地元の商社に就職。その後、地方公務員となる。フィリピン在住は10年余。日系金属加工会社のフィリピン工場で生産管理・品質管理を担当した後、現職。日夜、不良品対策や現場指導に頭を悩ませている。趣味は読書と釣り。

 

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