在タイ日本人コンサルタントの本音 Vol.1

第1回 タイ進出で一番大事なのはパートナー選び

 

近年、タイに進出する日系企業は、ますます増えております。バンコク日本人商工会議所に加盟している企業数は、2016年4月現在で1715社に上り、世界最大規模。この進出の流れは、もはや止まりそうにもありません。それに比例するかのように、進出する日系企業と現地パートナーとのトラブルも急増。そうしたトラブルを事前に防ぐためには どうしたらいいのか、お教えいたします。

 

初めまして、タイで法務関係を中心に 日系企業支援のコンサルタントをさせていただいておりますAdvanced Mana gement Japan Co.,Ltd.(アドバンスト・ マネージメント・ジャパン株式会社)の内田知春と申します。

 

近年のタイでは、様々な自然災害や政情不安が続いてきたにもかかわらず、日系企業の進出ラッシュに沸いているわけですが、今回は第1回目ということで、タイへの進出において、基本的に成功する秘訣をご説明いたします。

もちろん、タイ進出において、気をつけなければいけない点、押さえておかなければならない点は、たくさんありますが、結果的に一番大事なのはパートナー選びと言えます。

パートナーは大きく分けて3つある

  • ジョイント・ベンチャー(合弁企業)

パートナーと言っても、大きく分けて 3つに分ける事ができると思いますが、 JV(ジョイント・ベンチャー)を組む場合は、そのパートナー。

 

タイでは、株式会社法および外国人事業法の規定で、サービス業などは、BOI (The Board of Investment of Thailand =タイ国投資委員会)の投資奨励制度を利用しない限り、タイ側パートナーに株式を保有してもらわなければなりません。このパートナーの善し悪しにより、その企業が今後タイでどれだけ成功できるかが決まると言っても過言ではありません。特に飲食業の場合は、その様相が顕 著に現れています。良いパートナーに巡りあえば、労使紛争等の問題も起こることなく、自然と店舗は繁栄するでしょう。一方で、悪いパートナーに当たれば、労使紛争どころか、パートナーとの裁判沙汰にまで発展し、早期撤退の可能性もあります。JVのパートナーを決める場合、その企業・個人を精査し、現地の専門家の意見を訊くことが大事です。

 

  • 従業員

日々のパートナーと言えるのが、タイ人従業員です。文化も人種も違うため、 その従業員の管理に振り回される企業が少なくないわけですが、非協力的な従業員によるロスや労使紛争によって事業に影響が出るようなことでは、生産性の高い企業活動は望めません。

 

特に幹部従業員については、タイ側パートナーの紹介、もしくは信用のできる 人材紹介会社から採用されることをお勧めいたします。私の見る限りでは、成功 している優秀な企業には必ず優秀な幹部従業員が存在します。

 

  • コンサルティング会社

これが最も大事と言えますが、会計事務所を含むコンサルティング会社の選定。事実上の単独資本で展開する場合は、特に日々の相談相手となるこのコンサルティング会社の選定が企業の命運を大きく分けると思います。

 

あまり大きな声では言えませんが、日系企業の進出著しいこのタイでも、「悪徳コンサル」もしくは「にわかコンサル」の被害に遭う方が少なくありません。会計事務所について言えば、残念ながら会計処理を全てローカル企業に丸投げし、 中間手数料を取るだけで、書類の把握はおろか、簡単な質問に答えられないところや、実際の決算書の内容が事実とは異なるといったところもあるのが実情です。

 

弊社では、これまで広告を出さず、紹介者を介してのみ、お仕事をさせていただいておりますが、それでも日々、悪徳コンサルティング会社から詐欺や損失などの被害を受けたという相談が後を絶ちません。

 

ビザや労働許可証に関して専門知識のないコンサルタントに任せてしまうと、 それらの管理に日々忙殺され、本業に影響が出てしまいます。 タイでは現在、政令や通達がたびたび 変更されており、それらの動きをしっかりと理解し、的確な方策を打つことが重要となっています。本業に専念できるように、優秀なコンサルタントをパートナーとして選定することが、ひいては事業の発展につながるとも言えます。

優秀なコンサルタントを見分ける5つの注意事項

最後に、優秀なコンサルタントを見分けるための5つの注意事項を上げます。

・ もろもろの手続きやタイの事情について的確に質問に答えられる。

・ 担当する日本人が労働許可証を所持している。

※ 意外に思われるかもしれませんが、労働許可証を所持していないところがけっこう多いのが実情です。

・ 手続きがタイ人ロカールの会社へ丸投げである。

※ 何か問い合わせた時に即答できない会社は要注意です。

・ 担当の日本人がタイ語を全く理解していない。役所や担当の人間と意思疎通も取れない。必要書類を確認することができない。

※ タイ人スタッフに全てを任せているということでは責任のある管理などできません。

・ 事業所が明確ではない。他の事業と混在してコンサルタントを営んでいる。 ここをご覧の皆様が、タイで良き「パートナー」に出会い、ますます発展されることを願っております。

 

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内田知春 (うちだ ともはる)

アドバンスト・マネージメント・ ジャパン株式会社代表取締役

1974 年生まれ。立命館大学大学院国際関係科終了。インターンシップで初来タイし、終了後にタイの大学に就職。その後、貿易会社を起業。企業間の裁判を何度か経験した事から、そのノウハウを活かすためにコンサルティング会社を設立。タイの政財界とのつながりを軸にプロジェクトの立ち上げや法律・財務のコンサルタントとして活躍中。タイ の優秀企業賞を2回受賞。アジア経営者連合会のタイ支局長も務める。「パワー・コンサルティング」を信条に総合格闘技の修練に励む。

 

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