ベトナムで活躍するエクセレント・カンパニー 第2回

一生涯にわたって役立つのは「考える力」 これを教える教育をベトナムにも持ち込みたい

 

日本の経済力を支える要因の1つは教育だ。日本で北海道を中心に学習塾チェーンを展開している「練成会」は、現在のベトナムの教育環境を見て、「われわれが、ベトナムの子供たちの教育に貢献できることがある」とベトナムでの教育センター開設を決めたという。我々ベトナムが、教育に関して、日本から何を学ぶことができるのだろうか。2015年8月31日に開校した「れんせいベトナム」社の今野裕二(こんの・ゆうじ)社長に話を伺った。

 

日本とベトナムの教育の違い

──教育のプロから見て、ベトナムの教育と日本のそれとの大きな違いは何でし ょうか?

ベトナムの今の教育スタイルは、20年から30年前の日本と非常に似ています。我々は2014年4月から、市場調査のために毎月のようにベトナムを訪れていました。当地の学校を視察したときに一般的だったのが、教室では先生が板書をして、生徒たちはそれを書き写すというスタイル。いわゆる「詰め込み教育」「暗記型学習」ですね。日本も以前は、こういうスタイルが主流でしたが、その後、「考える力」を重視するように改善されて来ています。

 

──日本がそのように変わっていった理由は何ですか?

日本でもかつては「学歴社会」という言 葉があり、学歴が非常に重視されていま した。「いい学校に入るためには、テス トでいい点を取らないといけない。だか らテストで出題される範囲の学習内容 を必死で暗記する」というスタイルだっ たのです。しかし、テスト対策のために 無理矢理覚えた内容はすぐに忘れてしまい、身につきません。今では「テスト対策のための勉強ばかりしてきた人は、実社会で有能であるとは限らない」ということが分かり、「実社会を生き抜くための能力」、すなわち「考える力」を育てる教育に変わってきたのです。

──ベトナムにもそういう流れが来るのでしょうか?

ベトナムの親御さんたちの間では「テストでいい点を取れば、いい大学に行ける。いい大学を出れば、いい会社に勤めることができて、いい暮らしができる」という考えが根強いようです。しかし、じっくり話を聞いてみると、「本当にそうだろうか」と疑問を感じていらっしゃる方も多いんですね。一方、教える側に話を聞いても、今の詰め込み式の教育スタイルには改善の余地があると感じている方々が少なくありません。

 

──ベトナムでもすでに「脱・詰め込み教育」を模索する兆しがあるのですね。

我々も、当初はベトナムの学校での授業を補うような形の塾を開こうと考えていました。しかし、ベトナムでの市場調査を始めて半年後くらいには、「考える力、社会で出てからも役に立つ思考力を育てるような教育こそが、今のベトナムには必要で、かつ、我々が貢献できるものだ」と思いました。そこで、「子供たちの能力開発をする教育センターを作ろう」と方針を大きく変更したのです。

 

むりやり暗記しなくても、試験の結果が良くなる

──「そうは言っても、やはり学校の成績が上がらないと困る」という親が多いのではないでしょうか?

子供は自分が興味を持ったことに関しては、驚くほどの記憶力を示します。我々が子供たちに身につけてもらいたいと思っている能力の1つは、「学問への興味や関心」です。興味を持てば、進んで勉強をするようになり、むりやり暗記しなくても、必要な知識を覚えるようになります。その結果、ベトナムの学校でのテストの結果も良くなるはずだと思っています。

 

──具体的には、どのような方法で、子供たちの知的好奇心を育て、能力開発をされる予定なのでしょう?

無料体験会を実施していますので、それに来ていただくのが、いちばん分かりやすいでしょう。いちばん力を入れているのは、Crefus(クレファス)です。「Crefus」というのは「Create」「Future」「Science」という3つの言葉を合成して作った造語で、ロボットを製作しながらプログラミングを学び思考力を鍛える学習方法です。Crefusで使うロボット教材は、組み立て玩具で世界的に知られているレゴ社のもの。これは世界中の小学校から大学まで、5万を超える教育機関で採用されています。日本の練成会では、クレファスを使った授業を行なってきた実績があるので、これをベトナムでも展開したいと考えました。我々が提供する6つのコースのうち、一番たくさんのお申し込みをいただいいています。対象は小学校1年生から5年生までです。

 

独自の教育スタイルで、他校との差別化を図る

──他のコースも、従来のベトナムの教育機関では見たことがないものばかりですね。

その通りです。理科の実験授業をするFunexも人気ですね。ベトナムの学校にも理科用の実験室はあるのですが、子供たちが実際に、実験をする機会というのは、限られています。ベトナムでは理科系人材を育てたいという国の方針があるそうですが、実験をする機会がないので、科学に興味が持てないという傾向があるのではないでしょうか。

──日本の教育機関では公文がすでに進出しており、教室を増やしています。

弊社にも公文さんのように計算力を鍛えるflens(フレンズ)というコースがあります。弊社の特徴としては、紙ではなく、タブレットを使うこと。それによって、日本の子供たちとベトナムの子供たちが競争することもできるので、刺激になると思います。

 

──日本語学習のコースもありますね。御社のコースの特徴は何ですか?

弊社の日本語コースは「Japanese for KIDS」といって、6歳から 14 歳までの子 供向けコースもあります。ベトナムには日本語学校はすでにたくさんありますが、子供を対象にしたコースは、あまり聞いたことがありません。日本語を身につけたら、将来、就職に有利だというような考えもあるのでしょうね。子供の頃から、日本語に慣れ親しませたいというベトナムの親御さんからのお申し込みが思ったより多いので驚きました。

 

──今後の抱負を聞かせていただけますか?

今後、数年以内で 10 の校舎をオープン させたいと考えています。まずは、ベト ナムで人口がもっとも多いホーチミン シティーで展開します。すでに2校目は Cách mạng tháng Tám通り、3校目はĐinh Bộ Lĩnh通りでオープンいたしました。 国の将来を左右するのは教育だと考えて います。我々の持っているノウハウが、 ベトナムの若者たちの教育に貢献できれ ば、これほど嬉しいことはありません。

 

 

【取材協力】

れんせいベトナム社 Rensei Vietnam Co., Ltd.

練成会グループは1977年創業。現在、北海道を中心に、26都市232か所で事業所を展開している学習塾。小学生から高校生まで、幅広い年齢層を対象にしている。れんせいベトナム社は、同社が2015年4月に100%出資で設立したベトナム現地法人。

 

【連絡先】

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